教員になる前から使用しているボールペンで、教員になってから更にその有用性を強く認識しているボールペンがあります。
それは、PILOTのDr.GRIP(ドクターグリップ)4+1シリーズです。
私は油性ボールペン0.7mm細字 + シャープ0.5mmを愛用しています。
10年以上このシリーズを使い続けていますので、他のボールペン、シャープペン、多機能ペンを使用したことがほとんどありません。そのため、他の製品との比較ではなく、教員として仕事をする上でこの製品がいかに使い勝手が良いかということだけに焦点を絞り語りたいと思います。
理由1 長時間書いても疲れない
ICTがかなり発達してきているとは言っても、英語科や国語科の先生は、宿題にコメントを書いたり、Essayや小論文の添削をしたり、考査の採点をしたりといった業務を、手書きで行うことが多いかと思います。200人の生徒から提出された宿題に、1人につき50字ずつ日本語でコメントを書いて返却する場合、10,000字以上の文字を書くことになります。私の場合10,000字以上書くとなると3時間以上の間文字を書き続けなければなりません。そのような状況において、長時間使っても疲れにくいドクターグリップはありがたい存在です。
ドクターグリップはもともと「疲れにくいペン」を目指して開発されたものです。記憶が確かであれば、高校生の頃に初めてドクターグリップのシャープペンシルを買ったのが、私とドクターグリップとの最初の出会いだったと思います。ドクターグリップに出会う前までは、長時間文字を書いていると手が痛くなってしまうことが多かったのですが、出会ってからはそのようなことはなくなりました。それから、現在に至るまで、ドクターグリップのシャーペンもボールペンもずっと保有していますし時々使っていますが、主に使用しているのはDr.GRIP4+1シリーズです。それは、「Dr.GRIP4+1シリーズ」には、「長時間書いても疲れない」という以外の利点が存在するからです。
なお、ドクターグリップの歴史は以下のサイトに記載されていますので、ご興味がある方はご覧になってみてください。
理由2 1つのペンで4色の字を書くことができる
生徒から英語に関する質問を受けて、それに回答する時に、この4色使えるという点が非常に役立ちます。というのは、色が分かれていると生徒の理解が促進されるかつ記憶にも残りやすくなるからです。
Dr.GRIP4+1シリーズで使用できるのは、シャープペンシルと、青色、赤色、緑色、黒色の4色です。英語の5文型の説明をする場合を考えてみましょう。以下のように、それぞれの色と文の要素との対応を決めておきます。私は、この色の対応は年間の授業を通して変えないようにしています。そうすると語順を間違えた生徒に対して、「肯定文は青色 → 赤色 の順番だよね。」とビジュアルを用いて指摘できるようになるからです。
青色 = S(主語)
赤色 = V(述語)
緑色 = C(補語)
黒色 = O(目的語)
まず英文そのものをシャープペンシルで一度書きます。
I got angry.
肯定文では前から読んでいって一番最初に出会う名詞のかたまりが主語になるよねと確認します。上記の例文の場合は、Iが名詞(代名詞)なので、Iが主語になります。そこで、Iの下に青色で下線を引き、その下にSと書き入れます。
I got angry.
S
S V
S V C
この説明を繰り返すことで、文の要素が色とともに認識されるようになってきます。
理由3 書き心地が良い
Dr.GRIP4+1シリーズは、「アクロインキ」というインクを使用しています。油性のボールペンの場合、一般的は滑らかに書けるという感覚はあまり得にくいように思います。一方で、この「アクロインキ」を使用しているボールペンは、その滑らかに書くという感覚を味わうことができます。
技術面での詳細は以下のサイトに記載されています。
理由4 替芯が販売されている
民間企業で勤務していたときと比較すると、教員になって、手書きで字を書くことが増えました。民間企業時代は、手帳に少しだけ字を書く程度で、あとは全て会社から支給されたノートパソコンに文字を打ち込むという生活でした。紙の手帳を使っていたのは私の好みによるものですので、実質的にはノートパソコンさえあれば仕事は成立していました。
しかし、教員はそういうわけにはいきません。一部の学校はiPad等を全生徒に支給しており、課題の確認もオンラインでできるかもしれませんが、それは例外です。教員は手書きをする機会は非常に多いです。そのため、ボールペンのインクはすさまじい速さで消費されていきます。
その状況で役に立つのが替芯です。Dr.GRIP4+1シリーズでは、替芯が販売されていますので、すさまじいインクの消費にも容易に対応をすることができます。芯だけを交換することによって、業務を継続することができます。私はいつも替芯を筆箱にいれて持ち歩いています。このように、インクがなくなる都度、新しいボールペン本体を買いに行く必要はありません。
この替芯あるという観点は、ボールペンのインクが切れる毎にボールペンそのものを棄てて新しいボールペンを購入するのはもったいない使い方だと思われている方にとっても、利点になると思います。私もそのように考えていて、なるべくゴミの量を減らしたいと思い、替芯があるDr.GRIP4+1シリーズを継続して使用しています。
ボールペンだけなら10年以上同じ本体を使い続けることができています。しかし、シャープペンシルだけは、私の使い方が雑だったせいか、5年使ったあたりで故障してしまったので、シャープペンシルの扱いには気を付けたほうが良いかもしれません。