授業中に騒ぐ生徒を静かにさせられない教員は能力の低い教員なのか?

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こんにちは、EduCon(@Edu_Con_2019)です。たった1人なのだけど、授業中に騒ぐ生徒がいてそのことが気になりよく眠れない。40人のクラスであれば他に39人のしっかり授業を聞いている生徒がいるのに、なぜかその1人のことが頭から離れない。そんな経験をしたことがある、もしくは、今している先生はいらっしゃらないでしょうか。

今回は、生徒が授業を一生懸命にやっているのにおしゃべりをやめない生徒がいるという状況に置いて、

  • そのような状況になってしまうのは本当に先生の責任なのか
  • そのような状況にどのように対処をすれば良いのか

を考えていきたいと思っています。

想定している読者の方は、

  1. 授業中に騒ぐ生徒がいることが、自分の責任であると考え、自分を責めている先生
  2. 授業中に騒ぐ生徒がいることに関する様々な見方を知りたい先生

です。

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授業中生徒がうるさいのは先生だけの責任なのか?

「授業中に騒ぐ生徒を静かにさせられない教員が能力の低い教員なのか?」ということについて考えていくにあたり、まず場合分けをさせてください。場合分けをする際の観点は、その教員が大多数の生徒から良い教員であると評価されているか否かです。そのような場合分けをする理由は、良い教員と評価をされている場合とそうでない場合とで、生徒が授業中に騒ぐ要因が異なるように思うからです。

良い教師と評価されていない場合

授業中に生徒が静かにしない要因の1つとして、そもそも教師が生徒から教師として認められていないという要因があげられます。教師自身の担当教科に関する知識が乏しい場合や知識が豊富であったとしても授業が分かりにくい場合には、生徒が教師のことを教師と認めない場合が生じるように思われます。以前「良い教師かどうかを判断するための10個のポイント」という記事を書きましたが、この記事内の10個のポイントを満たしていれば、ほとんどの生徒が教師のことを教師と認めると思います。

良い教師かどうかを判断するための10個のポイント
今回は、英語教師を例にとり、「良い教師かどうか」もしくは「頼れる教師かどうか」を、どのようなポイントで判断すればよいのかについて書いていきたいと思います。 まず最初に前提としてお伝えしたいことが3点あります。それは、 この投...

この10個のポイントうち半数のポイントを満たしていない場合には、授業中に生徒が静かにしない要因は教師である自分自身にあるのかもしれないと私は思うようにしています。しかし、この10個のポイントを満たす先生の場合でも、生徒が騒ぐ場合があるのです。そのメカニズムについて考えていきたいと思います。

良い教師と生徒から評価されている場合

この場合、「授業中に騒ぐ生徒を静かにさせられない教員は能力の低い教員なのか?」という問いに対する私の考えは、「能力の低い教員とは言い切れない。なぜなら、現行の制度下では全ての生徒を静かにさせることは限りなく不可能に近いから。」です。

この記事を読んでくださっている先生方は、授業中に騒いでいる生徒にどのように指導をなさいますか?

議論を簡潔にするために、おしゃべりをしている2名以外の生徒は、先生の授業に価値を感じて、真剣に聞いていることを仮定します。

今は授業中です。友人同士でおしゃべりをしている生徒2名がいる状況を想像してみてください。以下のような会話が展開されたとします。

教師「おしゃべりをすることをやめなさい。」
生徒「なぜやめないといけないのですか。」
教師「あなた自身の学習機会の損失になるし、他の生徒の学習機会を奪うことにもなるからです。」
生徒「わたしは後で勉強するので大丈夫です。他の生徒に迷惑をかけて何が悪いのですか。」
教師「あなたは自分が真剣に取り組みたいことを他の人から邪魔されたら、不快に感じないの。」
生徒「いや、感じないですね。集中して取り組めますから。」
教師「では、平常点を減点しますね。」
生徒「どうぞ。考査で点数を取れるから大丈夫です。」
教師「保護者に連絡をするよ。」
生徒「どうぞ。連絡してください。」
教師「ふざけるな。」
生徒「ささいなことでうるさいな。」

この生徒の指導に関して段階を踏んで考えみたいと思います。

<第1段階>
教師:通常の話し方で、教師が生徒に対して「おしゃべりをすることをやめなさい。」とただ単にその行為を停止することだけを指摘する。これに従わない場合は、おしゃべりをしてはいけない理由を加えて注意をする。
生徒:上記の指示に従わない。
考察: 教師の指示に従わなくても失うものは何もないので、生徒は従わなくても良いと考える。

<第2段階>
教師:おしゃべりをすることの問題点を論理的に伝える。
生徒:その論理では納得しない。
考察:繰り返し説明をすることでその生徒の行動が改善する可能性があるのかもしれないが、改善までの期間に数カ月を要してしまうと、その間他の生徒の学習の機会が奪われることになる。

<第3段階>
教師:おしゃべりをやめないと平常点を減点することを伝える。
生徒:「平常点などいらない。」といっておしゃべりをやめない。
考察:平常点の割合が考査の点数の割合より高く、かつ考査である程度の点数を取得すれば進級できてしまう場合、この注意の方法は,おしゃべりをやめさせる抑止力にはならない。仮に、平常点の点数の割合の方が考査の点数の割合より高く、平常点が0点になることで留年をする可能性があったとしても,留年をさせるという判断が下される確率は低いのが現状である。

<第4段階>
教師:保護者にこの状況を伝達することを伝える。
生徒:「どうぞ,保護者に言ってください。」といっておしゃべりをやめない。
考察:保護者が生徒を指導できない家庭ならば,この方法は通用しない。

<第5段階>
教師:大きな声を出して怒鳴りつける。教師側の怒りを伝える。
生徒:怒鳴りつけられたとしても物理的な痛みを伴うわけではないので気にしない。体罰はできないこと知っているから、余裕で構えている。

上記の5つの段階を経ても静かにしない生徒はいます。なぜなら、指示に従わなくても、生徒は失うものが全くないからです。特に成績を気にしない生徒にとっては、この程度の指導はほぼ響かないでしょう。

このような生徒に対処ができない先生を能力が低い先生と評価してしまってよいのでしょうか?制度に問題はないのでしょうか?

私は制度として問題があると思っています。日本の学校においては、髪型や制服の着こなしなど、どちらかといえば他人に迷惑がかからない観点に関して規則を遵守させようとする傾向にあると思います。もちろん、「髪型の乱れや着こなしの乱れ」と「学校が荒れるということ」の間に関連性があることを指摘している書籍をありますので、髪型や制服の着こなしを注意するのを辞めるべきだと言っているのはありません。

私は、髪型や制服の規定を厳しくするぐらいに、他者に迷惑をかける行為に関する罰則規定を厳しくした方が良いと考えています。以下の記事に記載されているようなドイツの指導を参考に規定を設定して欲しいと思っています。

まったく校則のないドイツの学校が「学級崩壊」と無縁なワケ
校則は誰のためにあるのか。ドイツ出身のエッセイスト、サンドラ・ヘフェリン氏は「ドイツの学校には校則が

どのような迷惑行為をどれだけの回数実施したらどのような罰則が科されるのを明確にしておけば、それが生徒が迷惑行為をする抑止力になると思います。例えば、

  • 授業妨害行為を3回実施する。3回目までは担任による口頭注意。注意する都度保護者に書面で連絡。
  • 4回目の授業妨害をする。学年主任、生徒指導部による指導。保護者に書面で連絡。
  • 5回目の授業妨害をする。校長先生による指導。保護者に書面で連絡。
  • 6回目の授業妨害をする。保護者に学校に来てもらい、生徒本人と保護者に対して、校長先生、学年主任、生徒指導部、担任による指導。次に同様の行為をしたら退学になることを伝える。
  • 7回目の授業妨害をする。退学。

先生方の中には、どんなに問題がある子でも先生方が愛情を持って支え、心身ともに成長させて卒業させるべきだという考えをお持ちの方もいるでしょう。私はその考えに賛成です。でも、今その生徒が在籍している学校でそれを実施する必然性はないと思うのです。上記の例では、2人の生徒のおしゃべりのせいで、38人が迷惑を被っているのです。教育法学的に言えば、明らかに他の生徒の学習権の侵害しているわけです。生徒は、他者の権利を侵害したことに対して、それなりの罰を受ける必要があります。罰を受けた上で、別の学校で再び教育を受けるのでは駄目なのでしょうか。

私はこのような制度を作ることで、人間性も素晴らしく授業もわかりやすいのに、生徒になめられやすい先生、例えば、優しすぎる先生、体格が生徒に劣っている先生、若い先生、高齢の先生など、学校にとっても生徒にとっても必要な先生を守ることができるのではないかと思うのです。

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最後に

学校の先生を取り巻く昨今の状況は非常に大変です。日々仕事をするだけでも精一杯の状況です。そのような状況で授業中に生徒がうるさいと心が疲れてくると思います。そんな時、それは日本の学校の制度上の問題から生じていることであり、全てが自分自身の責任ではないと感じてもらえれば嬉しいです。