良い教師かどうかを判断するための10個のポイント

保護者の方に役立つ情報
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今回は、英語教師を例にとり、「良い教師かどうか」もしくは「頼れる教師かどうか」を、どのようなポイントで判断すればよいのかについて書いていきたいと思います。

まず最初に前提としてお伝えしたいことが3点あります。それは、

  1. この投稿では、いわゆる進学校(高等学校)で教えられている先生をイメージして、頼れる先生かどうかの判断基準を記載しているということです。小学校や中学校で教えられている先生、進学校ではない高等学校で教えられている先生、大学で教えられている先生には、当てはまらないポイントが多い可能性があります。
  2. このポイントには科学的な根拠はないということです。すなわち、主観に基づき決定しているということです。私が今までお世話になってきた先生のなかで頼れるなと思った先生に共通している要素、そして生徒が頼っている先生に共通する要素をまとめたものです。このように極めて狭い範囲の情報を元にポイントを抽出しています。そのため、当然のことながら絶対的な指標ではないです。
  3. このポイントに当てはまらない先生を批判する意図をもって書いているわけではありません。また、他の評価ポイントがあることを否定するものでもありません。あくまで一例として提示をしたいという趣旨であることをご理解ください。

それでは、10個のポイントを具体的に紹介していきたいと思います!

ポイントの中でAランクとSランクに分かれているポイントがありますが、Aランクの要素を満たしていれば頼れる先生、Sランクの要素を満たしていれば絶対にやめさせてはいけない先生というイメージでランク分けをしています。

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  1. ポイント1:先生自身が学び続ける姿勢を持っている
  2. ポイント2:発言と行動が一致している
  3. ポイント3:優しさと厳しさの両方を兼ね備えている
  4. ポイント4:先生自身が高い英語力を有している
    1. Aレベル センター試験の問題を初見で解いてほぼ満点がとれる
    2. Sレベル 東大の入試問題で制限時間内に9割以上の点数を取れる
  5. ポイント5:その先生の授業を聞き指示された課題をやれば英語力が伸びる
    1. Aレベル 真面目に授業を受け、真面目に課題をやると、英語力の伸びを実感できる
    2. Sレベル 絶対評価でみたときの英語の成績が上がる
  6. ポイント6:データに基づいた指導をしている
    1. Aレベル 経験のみに依存しない。
    2. S レベル 大学入試の過去問の傾向を把握している。
  7. ポイント7:生徒の弱点を具体的に指摘できる
    1. Aレベル 考査や模試の結果等をみて弱点を具体的に説明できる
    2. Sレベル 弱点分析のためのフレームワークをもっておりそれに準じて弱点を説明できる
  8. ポイント8:生徒の弱点に応じて参考書を紹介できる
    1. S・Aレベル 紹介すべき参考書が体系的に整理されている
  9. ポイント9:文法・構文に関する質問に答えることができる
    1. Aレベル 質問された問題に対してのみ答えることができる
    2. Sレベル 類似問題が初見の問題として出た場合の対処方法まで教えられる
  10. ポイント10:語彙に関する質問に答えることができる
    1. Aレベル 質問された語彙の品詞と意味だけを答えられる
    2. Sレベル Aレベルに加えて語源についても説明することができる
  11. まとめ
  12. 参考文献

ポイント1:先生自身が学び続ける姿勢を持っている

これは10個のポイントのなかで最も重要な要素です。

この要素がないと、先生自身の能力が衰退していきます。時代は変化しており、先生に求められる能力や、生徒が身につけなければならない能力も少しづつ変化しています。そのため、今までの経験や現時点で有している能力を大切にしつつも、新しい知識を吸収していく必要があるように思います。

また、生徒は先生自身に学ぶ意欲があるかどうかをよく見ています。例えば、先生自身が時事問題に関心があるかどうかに興味をもっています。「先生はBrexitについてどう思われますか?」と聞かれたときに、「知りません。」とか「ニュースを見てないんだよね。」とか答えてしまうと、信頼は損なわれてしまいます。

ポイント2:発言と行動が一致している

ゲームばかりしてないで、社会のできごとに目を向けろ!

と言っている先生が通勤の電車のなかでスマホでゲームをしているのを生徒が見たらどう思うでしょうか。その先生の話は、もう聞かなくていいやと思うのではないでしょうか。

ポイント3:優しさと厳しさの両方を兼ね備えている

先生は、生徒が困ったときに相談をしやすい状況を作っておく必要があります。先生が優しさをもっていることが生徒に伝わっていないと、いざというときにその先生に声をかけにくくなってしまうように思えます。いつも優しい雰囲気を醸し出す必要性はありませんが、その雰囲気をもっていることが生徒に認識されていることが大切です。

一方で、優しいだけでは教育にはならないと思います。なぜなら、生徒が常に正しいことをすることは限らないからです。間違っていることは間違っていると妥協せずに指摘する姿勢をもっていない先生は、生徒から本当の信頼を得ることはできないと思います。

ここからは英語の先生を例にしてポイントを整理していきます。他教科の先生の場合は、英語を別の教科に置き替えてみてください。

ポイント4:先生自身が高い英語力を有している

英語力の指標はいろいろとあると思いますが、今回は進学校の先生を対象にしていますので、大学に合格させることができるかという観点に注目し、そのために必要な英語力を有しているかどうかを判断するためのポイントについて考えていきます。

Aレベル センター試験の問題を初見で解いてほぼ満点がとれる

ほぼ満点と書いたのは、英語ができる先生でも時々、発音、アクセント、文法の問題で1、2問ケアレスミスをする場合があるからです。

センター試験の筆記の試験時間は80分ですが、英語力のある先生は50分で解き切り10分見直しに充てるぐらいの時間配分で解答されることが多いように思われます。

Sレベル 東大の入試問題で制限時間内に9割以上の点数を取れる

東大よりも難しい英語の問題を出題する大学もありますが、現時点で日本で一番入学難易度が高い大学は東大だと思うので、その問題を解けるかどうかを1つの指標にしました。

一部の私立中高一貫校の採用試験のおいて、東大の入試問題がそのまま出題されたという話を聞いたことがあります。

ポイント5:その先生の授業を聞き指示された課題をやれば英語力が伸びる

Aレベル 真面目に授業を受け、真面目に課題をやると、英語力の伸びを実感できる

このレベルの先生は、50分の授業で何を達成させたいのかを明確にして、授業に臨まれていることが多いです。そのため、50分授業を受けただけで何かを学び取ることができ、授業後に「今日は○○を学んだな。」と実感することができます。

また、この先生が課す課題を真面目にやれば、英語力の伸びを実感できます。

ただし、このレベルの場合は、生徒の感覚として英語ができるようになっているという場合で、その感覚としての成長が数値として示されていない場合もあるでしょう。しかしながら、学習の成果は数値として現れてくるまでに時間がかかります。なので、最初の段階では、生徒が英語力の伸びを実感できるという観点が大切で、その感覚を信じて学習を続けていると、6カ月から1年の経過を目安として、数値面での成績も向上してくるという流れになれば良いと思います。

Sレベル 絶対評価でみたときの英語の成績が上がる

現在、全生徒にbenesseのGTEC for Studentsを受験させたり、多くの生徒に英検の受験を奨励させたりしている学校が数多くあります。

ここでは、全生徒が受験していることの多いGTEC for Studentsを例によって説明をします。GTEC for Studentsについて詳しく知りたい方は、以下のサイトをご参照ください。

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2015/03/25/1356122_04.pdf

上記の資料の8ページを見ていただくと、東京大学に合格した生徒は、高1で619点、高2で684点、高3で715点を取得しています。高1から高2にかけて点数が65点増加しています。ある先生の授業を受けて、その先生の言う通りに学習をしただけで、高1から高2にかけて点数が65点ぐらい伸びていれば、その先生の授業と課題は信頼に値するものと言えるのではないでしょうか。

ポイント6:データに基づいた指導をしている

Aレベル 経験のみに依存しない。

経験のみに依存して指導をするパターンとは、自分が実施してきた学習方法をそのまま生徒に適用しようとするパターンです。英語の先生は基本的に英語ができます。そのため、ご自身が英語ができるようになるために学習してきた方法を絶対的な方法だと考え、そのやり方を生徒にやらせようとする場合があります。確かに先生ご自身にはそのお勧めの学習方法が最適だったのかもしれませんが、それが今目の前で教えている生徒に対して適応可能な学習方法になるとは限りません。

もちろん、ある程度の信念をもって学習方法を生徒に紹介していくことは大切です。しかし、その学習方法が本当に汎用性があるものなのかを確認しておく必要はあるのではないでしょうか。経験則ですが、専門家の研究成果を活用している先生の方が、生徒の英語力を高められることができているように思えます。

S レベル 大学入試の過去問の傾向を把握している。

大学入試の過去問を毎年全て自分で解いている先生もいらっしゃるとかもしれませんが、先生は多忙なため、そこまでできる先生方は決して多くないと思います。そのため、自分で全ての大学の過去問を解いていなくても、信頼できる専門家が分析したデータを活用していれば、このレベルに該当すると考えて差し支えないです。

保護者の方で、ご自身で過去問の傾向を把握したいという方は、下記の書籍がお勧めです。ただし、下記の書籍は、大学入試に必要な単語は全て知っているという前提で分析されているものであり、かつ文法的な側面における過去問の傾向のみを調査しているという点に注意をして読む必要があります。

ポイント7:生徒の弱点を具体的に指摘できる

Aレベル 考査や模試の結果等をみて弱点を具体的に説明できる

このレベルの先生は、個々の考査の結果をみて、生徒の弱点がどこにあるのかを分析し、それを分かりやすく生徒に伝えることができます。例えば、ある模試の結果を見た時に、点数が取れていない原因が、単語なのか、文法なのか、長文の論理的な読み方なのか等、具体的に指摘できます。

Sレベル 弱点分析のためのフレームワークをもっておりそれに準じて弱点を説明できる

弱点を分析するためのフレームワークのイメージの一例は以下の通りです。頼られる先生は、その先生なりの分析の手順をもっていらっしゃるように思えます。

Analysis_01
Analysis_02

ポイント8:生徒の弱点に応じて参考書を紹介できる

S・Aレベル 紹介すべき参考書が体系的に整理されている

ポイント7の弱点分析を踏まえて、参考書を具体的に紹介できる。

Recommendation

私がいつも助けていただいてた先生方は、悩みを相談するといつでも適切な参考書を紹介してくださいました。

ポイント9:文法・構文に関する質問に答えることができる

私は、訳読法(英文を1文1文日本語に和訳することによる英語学習法)が絶対的な学習方法とも思っていないですし、自分自身の授業でも積極的に採用しているわけでもないです。しかしながら、分からないという生徒がいたときに、文法・構文を重視した説明の方が腑に落ちる確率が高い生徒もいます。そのために、文法・構文に基づく説明をできる必要があると思っています。

Aレベル 質問された問題に対してのみ答えることができる

例をあげて説明します。

“This is the CD that I bought yesterday.”っていう文章が分からないです。

まず、前から順に日本語に訳してみて。英語の語順のままで大丈夫だから。

 

This が「これは」、isが「である」、the CDが「CD」で、このthatが良く分からないです。

 

このthatはこの前の授業で扱った関係代名詞だよ。まず、この文章を2つに分けて考えてみようか。どのように分けられる?

ええと、This is the CD. と I bought yesterday. ですか?

そうそう。I bought yesterday. は、文の要素、例えばSとかVとかが全て揃っているかな?

boughtのあとに何かが足らないような気がします。

そうだね。boughtは、第何文型で使われることが多い動詞だっけ?

第3文型です。あ、そうか、boughtの後にOが抜けていますね。

boughtの後のOにはどんな単語が入る?

the CDですか?

そうそう。じゃあ、I bought the CD yesterday.の文の要素を全て教えてよ。

 

ええと、IがSで、boughtがVで、the CDがOで、yesterdayがMです。

そうそう。できるじゃん。Oであるthe CDが 前の文”This is the CD.”のthe CDと同じだよね。だから、後ろの文のthe CDを関係代名詞のwhichかthatに変えると前の文章とくっつけることができない?ところで、関係代名詞の役割って何?

先行詞である名詞に対して情報を加えることですか?

そう。じゃあ和訳してみようか。

前の文が「これはCDです。」で、後ろの文が「私は昨日そのCDを買った。」で、後ろの文の「そのCD」の部分が前の文の「CD」と共通で、前の文の「CD」に情報を追加するように訳せばよいから、「これは、私が昨日買ったCDです。」で正解ですか?

いいじゃない。他に理解できていないところはない?

大丈夫です。ありがとうございました。

先生の説明が下手だみたいなツッコミを入れたい方もいるかとは思いますが、英語の説明をするブログではないので、今回はそこをぐっと我慢していただいて、この説明の本質的な問題を考えてみたいと思います。

それは、この説明だとこの文章は理解できるけれど、この生徒がもう一度thatを含む文章に出会った時、その初見の問題に対処できない可能性があるということです。よくある、学校の授業で扱った文章がそのまま出題される中間考査や期末考査では点数を取れるけど、模擬試験になるとさっぱりできないというパターンに陥る一つの要因がこれだと思います。では、どう改善するとSレベルになるのでしょうか。

Sレベル 類似問題が初見の問題として出た場合の対処方法まで教えられる

まずは、thatの用法の全体像を提示します。thatの用法は大きく分けて4つあります。

①that単独でS(主語)になる。この場合は、「あれは」という意味になる。
That is  a lie.
[S] [V] [C]
「あれはうそだ。」

②形容詞の位置に入り、「その、あの」という意味になる。
I   like   that pen.
[S] [V]  [C]
「わたしはあのペンが好きだ。」

③thatの後ろの文に関して、文の要素が全てそろっている。この場合のthatは従属接続詞で、「~ということ」や同格で「~という」意味を表す。なお、以下の例文で、助動は助動詞を、従接は従属接続詞を表しています。この例文のhe is a scientist.はheがS’、isが V’、a scientistがC’のように、thatの後ろの文の、文要素が全部そろっています。この場合、thatは従属接続詞となります。
I can’t believe  that he is a scientist.
「私は、彼が科学者であることを信じられない。」

④後ろが不完全な文、具体的にはSかOが抜けている。下記の例文の場合、thatの後ろの文、I bought  yesterday.において、IがS’、boughtがV’、yesterdayがM’となり、I boughtのあとにO(目的語)が抜けていることが分かります。文の要素が欠けていますから、このthatは関係代名詞で、「(~する、~である)ところの」という意味になります。
This is  the CD that I bought yesterday.
「これは私が昨日購入したCDです。」

以上のような形で、質問に関連しそうな文法要素の全体像を説明し、全体像の中でのその質問の位置を付けを説明できると、生徒がこの文法事項に関連した別の問題に出会ったときに、対処できる可能性が高まります。もちろん、この説明をした後に練習問題に取り組んでもらう必要はあります。

ポイント10:語彙に関する質問に答えることができる

Aレベル 質問された語彙の品詞と意味だけを答えられる

先生、”apathy”ってどういう意味ですか?

「無関心」って意味の名詞だよ。

この会話で終わってしまってよいのですが、もう少し生徒知識を広げる一言があるとなお良いような気がします。

Sレベル Aレベルに加えて語源についても説明することができる

“pathy”って部分他の単語で見たことない?

“sympathy”はどうですか?

そうそう。”sympathy”の意味は?

「同情」でしたっけ?

そのとおり。”apathy”が「無関心」で、”sympathy”が「同情」を意味していて、pathyの部分が共通だよね。pathyという部分はどんな意味を持っていると思う。

気持ちに関係する的な意味ですか?

当たってるよ。もっと詳しく言うと「心が苦しい状態」っていう意味を持っているの。a-が「無」を意味するから、a-「無」+pathy「心が苦しい状態」で「無関心」という意味になり、sym-「同じ」を意味するから、sym-「同じ」+pathy「心が苦しい状態」で「同情」って意味になるの。

じゃあ、”empathy”はem-「中へ」+pathy「心が苦しい状態」だから、「感情移入」のような意味になるのですか?

そのとおり。いま話した内容は語源に関する内容なんだけど、もし語源に興味があればシステム英単語 Premium(語源編)を読んでみるといいよ!

帰りに本屋で見てみます。ありがとうございました。

まとめ

上記のポイントはあくまで一例です。何かのお役にたてたら嬉しいです。

参考文献