こんにちは、EduCon(@Edu_Con_2019)です。志望大学・志望校について以下のような悩みを抱えている高校生は少なくないと思います。
そもそも高校生の段階で将来やりたいことなんて分からないから、志望校も志望大学も決められないです。
日々の勉強は頑張りたいです。医学部とか薬学部なら卒業後に何をやるのかがわかりやすいけど、それらの学部に行きたいとは思わないです。まだやりたいことが決まっていない高校生に適した学部はないのでしょうか。
そんな高校生の方がこの記事を最後まで読むと、
大げさにいえば、将来やりたいことが決まっていな状態でも、志望校を決めることができます。
今回の記事が役に立つであろう読者の方は、
- 志望校選択に悩んでいる高校生。
- 将来やりたいことが分からない高校生。
- 学びたいことがたくさんありすぎて、志望学部を決められない高校生。
- 子供(特に高校生の子供)の志望校が決まらず悩んでいらっしゃる保護者の方。
です。
以下の記事を読んでいただくにあたり、前提としてお伝えしておきたいことが3点あります。
1点目は、私が勤務していたのはいわゆる進学校であることです。中高の生活を通して、生徒自身も保護者の方も難関大に生徒が入学できる学力を身につけられることを期待しています。多くの生徒が難関大学への進学を目指さない高校においては、以下の記事の内容はほぼ無価値といってよいと思います。
2点目は、私は以下に記載する考え方が唯一の正しい考え方だとは決して思っていないということです。私は、高校生が多面的に情報を入手した上で、それらの情報を基に自ら判断してほしいと願っています。私が、以下の記事の考え方を生徒に強制したいわけではないということをご理解いただければ幸いです。
3点目は、難関大学に在籍している学生が全人格的に優れているとも、難関大学を卒業すれば順風満帆な人生が待っているとも、思っていないということです。今回紹介する5つの大学を難関大学と認識される方は多いと思います。だから、難関大学に入ることを賞賛する記事だと誤解されるかたもいらっしゃるかもしれないことを心配しています。難関大学を卒業しなくとも、自己実現をなされている方はたくさんいらっしゃることを私は強く認識しています。今回の記事は、あくまで、「やりたいことが決まらないならまず目標とするのは次の5つの大学はどうですか?それらの大学に入って一生懸命努力すれば将来の選択肢が広がるかもしれないです。」という1つの提案に過ぎないと認識していただけたら嬉しいです。
大学を決定するときの3つの判断基準
以下の3つの判断基準は、経営コンサルティング会社に勤務した経験と中高一貫校で教員をした経験との双方の経験を踏まえて、決定したものです。
大学入学後に選択可能な専攻の多様性
1点目は、大学入学後に選ぶことができる学問が多様であるかどうかという観点です。高校時代に「やりたいこと」を決めることができない生徒は、大学入学後にやりたいことを決めなければなりません。しかし、大学は学問を究める場所であるので、やりたいことを探すと同時に学びたいことも探さなければなりません。そうなると、学ぶことができる範囲が広い方が、興味がひかれる内容に出会える可能性が高まります。
学歴フィルターの考慮
2点目は、学歴フィルターにひっかからないかという観点です。大人から「学歴なんて関係ない。難関大学を卒業していなくても社会にでて活躍している。」と言われている高校生もいるかもしれません。それは正しいと思います。一方で、一定以上の難関大学を卒業していなければ就職することが難しい会社もあると思います。
ここで、東大京大の21卒就職ランキングを見ていただきたいと思います。どの大学を卒業しても、これらのランキングの上位企業に入社することができるのでしょうか。
私はできないと思います。1つの例を見ていただきたいと思います。上記のランキングの2位に位置するマッキンゼー・アンド・カンパニーのリーダーシップ紹介のページを見ていただきたいと思います。リーダーの方々の出身大学は、日本であれば東大が最も多く、日本以外であれば世界大学ランキングの上位に位置する大学もしくは大学院であることが分かるかと思います。もちろん、リーダー以外の方々には、そのような学歴でない方も一定程度いるかもしれません。しかしながら、リーダーという組織のマネジメントに位置している方々がそのような学歴である以上、そうでない学歴の方がその地位に上り詰めることは難しいと言わざるをえません。
このような会社には全く興味がないという高校生もこのような会社を全く聞いたことがないという高校生もいると思います。しかしながら、その高校生が大学生になったとき、これらの会社に興味を持たないと断言することはできません。大学生になったときに、このような会社に入りたいと思っても、在籍している大学によってはその目標達成確率は極めて低くなってしまいます。
だからこそ、やりたいことが明確でないならば、とりあえず一定以上の難関大学を選ぶことには意味があると思います。
大学で4年間学ぶ際に必要な費用を考慮する
3点目は、大学4年間の費用を最も低く抑えることのできる大学を選択するということです。これは、大学以外の場面でお金を使いたいと思ったときに、それに対してお金を使いやすくするためです。
例えば、東京に実家がある方ならば、東京の私立大学に通っても、その負担は学費だけですみます。一方で、東京以外の場所、例えば北海道や北関東に実家がある方は、東京の私立大学に通おうと思えば、学費に加えて住居費を負担しなければなりません。
おすすめの5つの大学
上述した3つの判断基準を踏まえて、私がおすすめする大学は以下の5校です。
東京大学
1校目は東京大学です。多くの方がご存じのように、東京大学に入学した学生は、2年間の前期課程でじっくり進路を選択することができます。2年間の前期課程を修了した後に、各人の適性や志望に応じて10学部にわたる50の後期課程諸学科に進学することができます。詳細については、以下の大学公式サイトをご覧ください。
慶應義塾大学 環境情報学部・総合政策学部
2校目は、慶應義塾大学の環境情報学部・総合政策学部です。両学部は、専門とする領域が異なりますが、どちらの学部に所属していてもお互いの学部の授業を履修することができます。そのため、どちらの学部に入学しても、社会科学・自然科学の双方の学問に触れることが可能です。詳細については、以下の大学公式サイトをご覧ください。
起業をする学生が多く在籍しているので、どんな分野で起業するかは決めていないけれど、そのようなことに挑戦したい学生には合っている大学だと思います。
入試の形態が多様なので、自分の長所を活かして入学試験を受けることができる点も魅力です。
国際基督教大学
リベラルアーツ教育において、日本で最も定評がある大学の1つです。英語教育のみに注目が集まりがちですが、31のメジャー(専門分野)に関する授業を全て受講することができる点も大きな魅力です。31のメジャーはどのようなものなのかについては、詳細については、以下の大学公式サイトをご覧ください。
東京大学や慶應義塾大学と比べ知名度が劣るため、就職は大丈夫なのかと不安になる保護者の方や高校生もいると思います。「全く心配いらない。」と断言できます。私は、国際基督教大学の卒業生に多くの友達がいますが、在学中に努力をしていた友達は例外なく、自分が思い描くキャリアを歩んでいます。詳しい就職先については、進路実績をご覧ください。
北海道大学 総合入試
入学時に文系と理系のいずれかは選択しなければならないのですが、文系及び理系の中においては、幅広く学ぶことができます。北海道大学の公式ウェブサイトには以下のように記載されています。
「総合入試」では、まず文系または理系の総合入試枠で受験し、本人の希望と1年次の成績によって学部に移行できるシステムです。入学後の1年間は、全員が「総合教育部」に所属し、幅広く教養科目や基礎科目を学びます。
1年次に所属する総合教育部では、充実した全学教育科目(教養科目と基礎科目)を文系と理系それぞれのカリキュラムのもとに、集中して学べます。高校で履修していない科目があっても、この期間にしっかりと学ぶことにより、移行後に学部専門科目を自信をもって学修することができるのです。
また、学問の先端分野では異なる学部で同じようなことが学べたり、同じ学部でも学科やコースによって全く違う内容が学べることがあります。1年次に学問の世界の現状を知ることができるため、自分の夢をかなえる将来の選択肢を広げることができます。
このように、総合入試では、入学後に進学する学部をじっくり考えてから学部に移行することができます。
北海道大学を選択する際に考慮すべき点の1つは、北海道以外の場所、例えば東京で就職したいと思った場合に、就職活動のために頻繁に東京に行かなければならなくなる可能性があるということです。理系の学生で研究室の推薦で就職が決まる場合以外は、就職活動時の物理的な移動の困難さをいかに克服するかをある程度考えたうえで選択をする必要があるかと思います。
国際教養大学
文系の大学と認識されている方もいるかもしれませんが、自然科学も学ぶ機会が提供されています。2021年4月からは、新カリキュラムがスタートします。そのカリキュラムでは、グローバル・コネクティビティ領域が新設されます。その領域においては、AI(人工知能)についても学ぶことができます。新カリキュラムの詳細については、以下の大学公式ウェブサイトをご覧ください。
国際教養大学は、2004年に開学した、比較的新しい大学であるため、保護者の方にはとっては馴染がない大学だと思われます。そのため、国際教養大学を卒業した場合に就職先は見つかるのかという不安を抱かれる方もいるかと思います。その点は、全く心配する必要はないです。ぜひ、卒業生の主な就職・進学先をご覧になってください。
進路選択に役立つ情報
以上の5つの大学が私のおすすめです。興味をもった大学があれば、高校生のための進学情報【マイナビ進学】を活用することができます。そこで、上述の大学についても調べてみると、それら以外にも自分に合った大学を見つけることもできるかもしれません。まずは、大学に関する情報を幅広く集めることが大切だと思いますので、ぜひマイナビ進学を活用してみてください。
【補足】私が高校生だったときの志望校決定の方法
志望校決定に関する多様な情報を提供することがこの記事の目的ですので、私が高校生だったときの志望校決定の方法も記載します。
当時の私は「将来やりたいことは高校生のうちに決まっていなければならない。そして、その実現のために最適な大学学部を選択しなければならない。」という強迫観念にとらわれていました。
私自身は、田舎の公立高校の出身です。今のようにインターネットが発達していない時代でしたので、大学を選ぶ際には、家族、学校の先生、友達、書籍から得られる情報だけを基に決めました。当時は、大学は「研究をする能力を養成する機関」と強く認識していたのでその観点だけに注目しました。
特に重視したのは、偏差値の高さと科研費の多さです。前者を重視した理由は、難易度の高い大学であれば優秀な学生が集まるから自分も成長できる可能性が高い、そして、努力をして難易度の高い大学に入学したことに対する何らかの報いが将来あるだろうと考えたからです。後者を重視した理由は、科研費が多ければ研究設備にもお金をかけられるので最先端の研究に触れることができる考えたからです。科研費については、産学官の道しるべに記されているような内容を、書籍で読んだような気がします。このサイトをみると、大学別に配分されている金額は、金額が多い順に、東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、九州大学、名古屋大学、北海道大学となっています。
まずは東京大学に合格することも目標に勉強することにしました。東京大学に合格できる学力に到達しなければ、あとは上記の2点以外の観点も踏まえ、上に記載されている大学の中から合格可能性の高い大学を受験すればよいと思いました。
最終的に、自分がやりたいことをある程度できる大学学部に入学しましたが、学生生活を送る中で、もう少し幅広いことを学び、自分の適性を見極めたかったとも思い、多少は後悔しました。
やりたいことを見つける手助けをするサイト
やりたいことが決まらなければ上記の5大学をとりあえず目指せばよいと思います。しかし、上記の5大学のいずれかに行くにせよ、やりたいことの方向性が少しでも明らかになっていたほうが、精神的に安定するという高校生もいるかもしれません。
そんな高校生にやりたいことを探すための方法を紹介します。
1つ目の方法は、仕事に関連した動画を見ることによって、働くことのイメージをつかむことです。具体的には、NHKが作成しているプロフェッショナル仕事の流儀を用いて、仕事の疑似体験をしてください。NHKオンデマンドで動画を購入することもできますが、NHK製作の動画以外も見たい場合には、U-Nextに加入後ポイントを利用してNHKオンデマンドを見るという方法もあります。
本ページの情報は2019年7月時点のものです。
最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。
過去の授業で扱った動画とその授業に用いたワークシートを以下に示します。
2つ目の方法は、「やりたいこと」の発見を手助けするためのワークシートを使って、自分のやりたいことを発見する方法です。
最後に
個人で調査をしておりますので、データに正確性に対する責任は負いかねます。 また、このデータに基づき進学先を決定される前に、ご自身で大学のウェブサイトをご確認いただけますようお願い申し上げます。 誤りがあればご指摘いただけば幸いです。