こんにちは、EduCon(@Edu_Con_2019)です。以前、都内の私立男子中学の進学実績に関して、「芝・本郷・世田谷学園・攻玉社の大学合格実績を比較してみました」、「巣鴨、城北、桐朋、本郷の大学合格実績を比較してみました」という2つの記事を書きました。今回の記事はその続編です。具体的には、都内男子校の新御三家(巣鴨、海城、駒場東邦)に筑波大学附属駒場(以下、筑駒)を加えた4校の間で進学実績を比較しています。中学入試時点の偏差値において、新御三家とはかなりの差がある筑駒を比較対象に加えたのは、筑駒の併願先として駒場東邦(以下、駒東)を選択する児童が多いからです。なお、御三家と筑駒との比較についてはこちらの記事「御三家(武蔵・麻布・開成)と筑駒の進学実績を比較してみた!」にまとめてあります。
長い文章ですので目次から必要な情報を選択して読んでいただけると嬉しいです。
巣鴨・海城・駒東・筑駒の大学合格実績の特徴
それぞれの学校の大学合格実績の特徴を紹介します。
- 巣鴨は、現役生と既卒生を合算した場合の「国公立大学医学部医学科」の合格率が12.6%で4校中2位となっています。1位は筑駒ですが、その合格率は13.7%であるため、1位とほぼ差がないといって差し支えがないと思います。また、現役生と既卒生を合算した場合の「私立大学医学部医学科」の合格率が33.2%で4校中1位となっています。このことから、巣鴨は国公立、私立を問わず医学部医学科を目指す生徒が数多く集まっているいると言えるでしょう。
- 海城は、現役生に限った場合の「国公立大学医学部医学科」の合格率が8.8%で1位となっています。早慶上智理科大への現役合格率が81.1%で、4校中1位となっています。Harvard University に合格者が出ている点も特徴です。
- 駒東は「東京一工+旧帝大(5校)+国公立大学医学部医学科」の現役合格率が34.1%で4校中2位になっています。現役生と既卒生を合計した場合の「東京一工+旧帝大(5校)+国公立大学医学部医学科」の合格率に関しても54.0%と4校中2位になっています。また、現役生に限った場合の「私立大学医学部医学科」の合格率が17.3%で1位となっています。
- 筑駒は「東京一工+旧帝大(5校)+国公立大学医学部医学科」の現役合格率が52.8%で4校中1位になっています。現役生と既卒生を合計した場合の「東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科」の合格率に関しても72.0%と4校中1位になっています。また、難関国公立大学の文系学部に関しては、現役生に限った場合でも、現役生と既卒生を合算した場合でも、筑駒が突出して高い合格率を誇っています。
調査方法
以下のウェブサイトに記載されている数値を引用しました。
- 巣鴨高等学校の近年の大学合格者数
- 巣鴨高等学校 インターエデュ2020年東大・京大・難関大学合格者数
- 海城高等学校の2020年度大学入試結果【合格者】
- 海城高等学校 インターエデュ2020年東大・京大・難関大学合格者数
- 駒場東邦高等学校の大学進学状況
- 駒場東邦高等学校 インターエデュ2020年東大・京大・難関大学合格者数
- 筑波大学附属駒場高等学校 進路指導・進学状況
- 筑波大学附属駒場高等学校 インターエデュ2020年東大・京大・難関大学合格者数
卒業生数に関しては、現役生のみの合格率を計算する場合も、現役生と既卒生を合算しての合格率を計算する場合も、2020年度の卒業生数を用いています。
筑駒に関しては2020年度の卒業生数が上記のウェブサイトに記載されておりませんでしたので、サンデー毎日2020年3月29日号に記載されていた数値を引用させていただいております。
各高校の中学入試時点での難易度
各高校の中学入試時点での難易度は以下の通りです。
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
首都圏模試 | 65 | 73 | 74 | 78 |
日能研 | 53 | 63 | 63 | 72 |
四谷大塚 | 53 | 63 | 64 | 73 |
平均 | 57.7 | 66.3 | 67.0 | 74.3 |
この4校の中では筑駒の難易度が最も高いと考えられます。
東大・京大・一橋大・東工大の合格実績の特徴
要約
- 東大・京大・一橋大・東工大の合格率では、現役生に限った場合でも、現役生と既卒生を合算した場合でも、筑駒が4校中1位となっています。
- 現役生に限った場合でも、現役生と既卒生を合算した場合でも、中学入試時点の偏差値と東大・京大・一橋大・東工大の4校の合格率との間には正の比例関係があります。
現役生
合格者数と合格率
東大・京大・一橋大・東工大の4校の現役合格者数及び現役合格率を表1に示します。
表1 東大・京大・一橋大・東工大の現役合格者数及び現役合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
東京大学 | 7 | 38 | 46 | 72 |
京都大学 | 1 | 5 | 11 | 0 |
一橋大学 | 1 | 6 | 4 | 2 |
東京工業大学 | 0 | 9 | 0 | 2 |
現役合格者総数 | 9 | 58 | 61 | 76 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
東京一工現役合格率 | 4.2% | 18.3% | 27.0% | 47.2% |
東京一工の現役合格率に関しては、筑駒が47.2%で首位となっています。4校とも、東京一工の中で東大の合格者数が最も多いことが特徴です。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と東京一工の合格率を図1に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-001図1 中学入試時点の偏差値と東京一工の合格率
中学入試時点の偏差値と東大・京大・一橋大・東工大の4校の合格率との間には正の比例関係があります。
現役生及び既卒生
合格者数と合格率
東大・京大・一橋大・東工大の4校に関して、現役生と既卒生を合算した場合の合格者数及び合格率を表2に示します。
表2 東大・京大・一橋大・東工大の合格者数と合格率
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
東京大学 | 12 | 59 | 63 | 93 |
京都大学 | 1 | 9 | 11 | 1 |
一橋大学 | 3 | 7 | 6 | 3 |
東京工業大学 | 2 | 13 | 7 | 3 |
合格者総数 | 18 | 88 | 87 | 100 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
東京一工合格率 | 8.4% | 27.8% | 38.5% | 62.1% |
現役生と既卒生を合算した場合の東京一工の合格率に関しても、筑駒が4校中1位となっていることがわかります。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と東京一工の合格率を図2に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-002図2 中学入試時点の偏差値と東京一工の合格率
図2より、現役生及び既卒生を合算した場合、中学入試時点の偏差値と東大・京大・一橋大・東工大の4校の合格率との間には正の比例関係があります。
現役合格率と既卒合格率
東大・京大・一橋大・東工大の4校に関して、現役生の合格率、既卒生の合格率、そして、現役生及び既卒生を合算した場合の合格率を表3に示します。
表3 東大・京大・一橋大・東工大の合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
現役生の合格率 | 4.2% | 18.3% | 27.0% | 47.2% |
既卒生の合格率 | 4.2% | 9.5% | 11.5% | 14.9% |
現役生及び既卒生の合格率 | 8.4% | 27.8% | 38.5% | 62.1% |
※現役生の合格率、既卒生の合格率、現役生及び既卒生の合格率を算出する際に、それぞれ四捨五入しているので、現役生の合格率に既卒生の合格率を加えた数値が現役生及び既卒生の合格率と合致しない場合があります。
現役生の合格率及び既卒生の合格率の積み上げグラフを図3に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-003図3 現役生の合格率及び既卒生の合格率
表3と図3から、海城、駒東、筑駒に関しては現役で合格する生徒の割合が大きく、一方で、巣鴨はその割合が小さいことがわかります。
難関国公立大学の文系学部・理系学部
要約
- 難関国公立大学の文系学部に関しては、現役生に限った場合でも、現役生と既卒生を合算した場合でも、筑駒が突出して高い合格率を誇っています。
- 現役生に限った場合における難関国公立大学の理系学部への合格率は、筑駒が26.7%で1位ですが、2位の駒東の合格率が23.5%であり、その差は小さいです。
現役生
合格者数と合格率
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学に関する現役合格者数及び現役合格率を表4に示します。
表4 東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への現役合格者数及び現役合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | ||
東京大学 | 文系 | 3 | 14 | 17 | 39 |
京都大学 | 文系 | 1 | 0 | 2 | 0 |
一橋大学 | 1 | 6 | 4 | 2 | |
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への現役合格者数 | 5 | 20 | 23 | 41 | |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 | |
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への現役合格率 | 2.3% | 6.3% | 10.2% | 25.5% |
表4を見ていただくと、東大文系 、京大文系 、そして一橋大学への現役合格者総数では、筑駒が40人と4校の中で最も多く、また、それらへの合格率においても、筑駒が25.5%と最も高くなっていることが分かります。
次に、東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立医学部医学科 に関する現役合格者数及び現役合格率を見てみます(表5)。合格者数の重複を避けるため、国公立医学部医学科の合格者数に、東大理Ⅲと京大医学部医学科の合格者数は含めておりません。
表5 東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立医学部医学科 への現役合格者数及び現役合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | ||
東京大学 | 理系 | 4 | 24 | 29 | 33 |
京都大学 | 理系 | 0 | 5 | 9 | 0 |
東工大 | 0 | 9 | 0 | 2 | |
国公立大学医学部医学科 | 13 | 25 | 15 | 8 | |
東大理系 + 京大理系 + 東工大+ 国公立大学医学部医学科への合格者数 | 17 | 63 | 53 | 43 | |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 | |
東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立大学医学部医学科への合格率 | 7.9% | 19.9% | 23.5% | 26.7% |
表5から、東大理系 、京大理系 、東工大、そして国公立大学医学部医学科への現役合格者総数では、海城が63人と4校の中で最も多くなっていることがわかります。一方で、それらへの現役合格率においては、筑駒が26.7%、駒東が23.5%であり、海城の19.9%よりも高くなっています。
難関文系学部への合格率と難関理系学部への合格率との比較
続いて、東大文系 + 京大文系 + 一橋大の合格者数と東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立大学医学部医学科 の現役合格率を棒グラフにしたものを図4に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-004図4 「東大文系 + 京大文系 + 一橋大」と「東大理系 + 京大理系 + 東工大+ 国公立大学医学部医学科」の現役合格率
図4から、筑駒は文系学部への進学に強く、巣鴨、海城、駒東は理系学部への進学に強いと言えそうです。
現役生及び既卒生
合格者数と合格率
既卒生と現役生を合算した場合の、東大文系 + 京大文系 + 一橋大学に関する合格者数及び合格率を表6に示します。
表6 東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への合格者数及び合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | ||
東京大学 | 文系 | 7 | 20 | 24 | 47 |
京都大学 | 文系 | 1 | 3 | 2 | 1 |
一橋大学 | 3 | 7 | 6 | 3 | |
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への合格者数 | 11 | 30 | 32 | 51 | |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 | |
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への合格率 | 5.1% | 9.5% | 14.2% | 31.7% |
表6を見ていただくと、現役生と既卒生を合算した東大文系 、京大文系 、そして一橋大学への合格者総数では、筑駒が51人と4校の中で最も多くなっています。また、それらへの合格率においては、筑駒が31.7%と最も高くなっていることが分かります。
次に、東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立大学医学部医学科 に関する合格者数及び合格率を見てみます(表7)。合格者数の重複を避けるため、国公立大学医学部医学科の合格者数に、東大理Ⅲと京大医学部医学科の合格者数は含めておりません。
表7 東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立大学医学部医学科 への合格者数及び合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | ||
東京大学 | 理系 | 5 | 39 | 39 | 46 |
京都大学 | 理系 | 0 | 6 | 9 | 0 |
東工大 | 2 | 13 | 7 | 3 | |
国公立大学医学部医学科 | 27 | 32 | 21 | 15 | |
東大理系 + 京大理系 + 東工大+ 国公立大学医学部医学科への合格者数 | 34 | 90 | 76 | 64 | |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 | |
東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立大学医学部医学科への合格率 | 15.9% | 28.4% | 33.6% | 39.8% |
表5から、現役生と既卒生を合算した、東大理系 、京大理系 、東工大、そして国公立大学医学部医学科への合格者総数では、海城が90人と4校の中で最も多くなっていることがわかります。一方、それらへの現役合格率については筑駒のそれが39.8%と最も高くなっていることが分かります。
難関文系学部への合格率と難関理系学部への合格率との比較
続いて、東大文系 + 京大文系 + 一橋大の合格者数と東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立大学医学部医学科 の合格率の積み上げグラフを図5に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-005図5「東大文系 + 京大文系 + 一橋大」と「東大理系 + 京大理系 + 東工大+ 国公立大学医学部医学科」の合格率
図5から、筑駒は文系学部への進学に強く、巣鴨、海城、駒東は理系学部への進学に強いと言えそうです。
現役合格率と既卒合格率
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学 に関して、現役生の合格率、既卒生の合格率、そして、現役生及び既卒生を合算した場合の合格率を表8に示します。
表8 東大文系 + 京大文系 + 一橋大学 の合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
現役生の合格率 | 2.3% | 6.3% | 10.2% | 25.5% |
既卒生の合格率 | 2.8% | 3.2% | 4.0% | 6.2% |
現役生及び既卒生の合格率 | 5.1% | 9.5% | 14.2% | 31.7% |
※現役生の合格率、既卒生の合格率、現役生及び既卒生の合格率を算出する際に、それぞれ四捨五入しているので、現役生の合格率に既卒生の合格率を加えた数値が現役生及び既卒生の合格率と合致しない場合があります。
現役生の合格率及び既卒生の合格率の積み上げグラフを図6に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-006図6 現役生の合格率及び既卒生の合格率
表8と図6から、東大文系 + 京大文系 + 一橋大学に関しては、筑駒は現役で合格する生徒の割合が高く、巣鴨、海城、駒東はその割合が低いことが分かります。
続いて、東大理系 + 京大理系 + 東工大+ 国公立大学医学部医学科に関して、現役生の合格率、既卒生の合格率、そして、現役生及び既卒生を合算した場合の合格率を表9に示します。
表9 東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立大学医学部医学科 の合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
現役生の合格率 | 7.9% | 19.9% | 23.5% | 26.7% |
既卒生の合格率 | 7.9% | 8.5% | 10.2% | 13.0% |
現役生及び既卒生の合格率 | 15.9% | 28.4% | 33.6% | 39.8% |
※現役生の合格率、既卒生の合格率、現役生及び既卒生の合格率を算出する際に、それぞれ四捨五入しているので、現役生の合格率に既卒生の合格率を加えた数値が現役生及び既卒生の合格率と合致しない場合があります。
「東大理系 + 京大理系 + 東工大+ 国公立大学医学部医学科」に関しての、現役生の合格率及び既卒生の合格率の積み上げグラフを図7に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-007図7 現役生の合格率及び既卒生の合格率
表9と図7から、東大理系 + 京大理系 + 東工大 + 国公立大学医学部医学科 に関しては、海城と駒東と筑駒は現役で合格する生徒の割合が高く、巣鴨はその割合が低いことが分かります。
東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科
要約
- 「東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科」の現役合格率に関しては、筑駒が52.8%と1位になっています。
- 「東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科」の現役生と既卒生を合計した合格率に関しても、筑駒が72.0%と1位になっています。
- 現役生のみに限った場合でも、現役生と既卒生を合算した場合でも、中学入試時点での偏差値と「東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科」の合格率との間には正の比例関係があります。
現役生
合格者数と合格率
東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科の現役合格者数及び現役合格率を表10に示します。
表10 東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科への合格者数及び合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
東京大学 | 7 | 38 | 46 | 72 |
京都大学 | 1 | 5 | 11 | 0 |
一橋大学 | 1 | 6 | 4 | 2 |
東京工業大学 | 0 | 9 | 0 | 2 |
北海道大学 | 0 | 8 | 1 | 1 |
東北大学 | 2 | 3 | 0 | 0 |
名古屋大学 | 0 | 2 | 0 | 0 |
大阪大学 | 1 | 3 | 1 | 0 |
九州大学 | 0 | 1 | 0 | 0 |
国公立大学医学部医学科(上記の大学のそれは除く) | 12 | 23 | 14 | 8 |
現役合格者総数 | 24 | 98 | 77 | 85 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
東京一工+旧帝大+国公立医学部医学科 現役合格率 | 11.2% | 30.9% | 34.1% | 52.8% |
表10より東京一工、旧帝大、国公立医学部医学科の現役合格率は、筑駒が1位となっていることがわかります。また、筑駒は他の3校と比較すると東大を目指す生徒の割合が圧倒的に高く、医学部医学科を目指す生徒の割合が少ないことが見て取れます。一方で、海城は東大だけでなく他の難関国立大学にも幅広く合格者を出しています。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と「東京一工、旧帝大、国公立医学部医学科」への現役合格率を図8に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-008図8 中学入試時点の偏差値と「東京一工、旧帝大、国公立医学部医学科」現役合格率
中学入試時点での偏差値と「東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科」の合格率との間には正の比例関係があります。
現役生及び既卒生
合格者数と合格率
東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科の合格者数及び合格率を表11に示します。
表11 東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科への合格者数及び合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
東京大学 | 12 | 59 | 63 | 93 |
京都大学 | 1 | 9 | 11 | 1 |
一橋大学 | 3 | 7 | 6 | 3 |
東京工業大学 | 2 | 13 | 7 | 3 |
北海道大学 | 4 | 12 | 3 | 1 |
東北大学 | 5 | 4 | 1 | 0 |
名古屋大学 | 0 | 2 | 1 | 0 |
大阪大学 | 3 | 3 | 1 | 0 |
九州大学 | 1 | 2 | 1 | 0 |
国公立大学医学部医学科(上記の大学のそれは除く) | 25 | 29 | 20 | 15 |
合格者総数 | 56 | 140 | 114 | 116 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
東京一工+旧帝大+国公立医学部医学科 合格率 | 26.2% | 44.2% | 50.4% | 72.0% |
現役生と既卒生を合算した場合の、東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科の合格率は、筑駒が1位となっていることがわかります。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、次に、中学入試時点の偏差値と「東京一工、旧帝大、国公立医学部医学科」への合格率を図9に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-009図9 中学入試時点の偏差値と「東京一工、旧帝大、国公立医学部医学科」への合格率
現役生と既卒生を合算した場合でも、中学入試時点での偏差値と「東京一工+旧帝大(5校)+国公立医学部医学科」の合格率との間には正の比例関係があります。
現役合格率と既卒合格率
「東京一工、旧帝大、国公立医学部医学科」に関して、現役生の合格率、既卒生の合格率、そして、現役生及び既卒生を合算した場合の合格率を表12に示します。
表12 「東京一工、旧帝大、国公立医学部医学科」の合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
現役生の合格率 | 11.2% | 30.9% | 34.1% | 52.8% |
既卒生の合格率 | 15.0% | 13.2% | 16.4% | 19.3% |
現役生及び既卒生の合格率 | 26.2% | 44.2% | 50.4% | 72.0% |
※現役生の合格率、既卒生の合格率、現役生及び既卒生の合格率を算出する際に、それぞれ四捨五入しているので、現役生の合格率に既卒生の合格率を加えた数値が現役生及び既卒生の合格率と合致しない場合があります。
現役生の合格率及び既卒生の合格率の積み上げグラフを図10に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-010図10 現役生の合格率及び既卒生の合格率
表12と図10から、「東京一工、旧帝大、国公立医学部医学科」に関しては、海城、駒東、筑駒に関しては現役で合格する生徒の割合が高く、巣鴨に関しては現役で合格する生徒の割合が低いことがわかります。
国公立大学医学部医学科
要約
- 現役生に限った場合の「国公立大学医学部医学科」の合格率に関しては、海城が8.8%で1位となっています。
- 現役生と既卒生を合算した場合の「国公立大学医学部医学科」の合格率に関しては、筑駒が13.7%で1位となっています。
- 現役生と既卒生を合算した場合、中学入試時点での偏差値では4校中4位であった巣鴨の「国公立大学医学部医学科」の合格率は4校中2位となっています。
現役生
合格者数と合格率
国公立大学医学部医学科の現役合格者数及び現役合格率を表13に示します。
表13 国公立大学医学部医学科への現役合格者数及び現役合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
国公立大学医学部医学科現役合格者総数 | 13 | 28 | 15 | 12 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
国公立大学医学部医学科現役合格率 | 6.1% | 8.8% | 6.6% | 7.5% |
表13より、国公立大学医学部医学科の現役合格率は、海城が1位となっていることが分かります。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と国公立大学医学部医学科への現役合格率を図11に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-011図11 中学入試時点の偏差値と国公立大学医学部医学科への現役合格率
4校の中学入試時点での偏差値とそれらの国公立大学医学部医学科の現役合格率との間には相関関係がないことがわかります。
現役生及び既卒生
合格者数と合格率
現役生と既卒生を合算した場合における国公立大学医学部医学科の合格者数及び合格率を表14に示します。
表14 国公立大学医学部医学科への合格者数及び合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
国公立大学医学部医学科合格者総数 | 27 | 36 | 21 | 22 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
国公立大学医学部医学科合格率 | 12.6% | 11.4% | 9.3% | 13.7% |
表14より、現役生と既卒生を合算した場合の国公立大学医学部医学科の合格率においても、4校の中で筑駒が1位であることが分かります。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と国公立大学医学部医学科への合格率を図12に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-012図12 中学入試時点の偏差値と国公立大学医学部医学科への合格率
現役生と既卒生を合算した場合、中学入試時点での偏差値では4校中4位であった巣鴨の「国公立大学医学部医学科」の合格率が4校中2位となっています。
現役合格率と既卒合格率
国公立大学医学部医学科に関して、現役生の合格率、既卒生の合格率、そして、現役生及び既卒生を合算した場合の合格率を表15に示します。
表15 国公立大学医学部医学科の合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
現役生の合格率 | 6.1% | 8.8% | 6.6% | 7.5% |
既卒生の合格率 | 6.5% | 2.5% | 2.7% | 6.2% |
現役生及び既卒生の合格率 | 12.6% | 11.4% | 9.3% | 13.7% |
※現役生の合格率、既卒生の合格率、現役生及び既卒生の合格率を算出する際に、それぞれ四捨五入しているので、現役生の合格率に既卒生の合格率を加えた数値が現役生及び既卒生の合格率と合致しない場合があります。
現役生の合格率及び既卒生の合格率の積み上げグラフを図13に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-013図13 現役生の合格率及び既卒生の合格率
表15と図13から、国公立大学医学部医学科に関しては、海城と駒東は現役で合格できる生徒の割合が高いことがわかります。
早慶上智理科大
要約
- 早慶上智理科大の合格率に関しては、現役生のみの場合でも、現役生と既卒生を合算した場合でも、海城が4校中1位となっています。
- 中学入試時点での偏差値と早慶上智理科大への合格率との間には相関関係がありません。
現役生
合格者数と合格率
早慶上智理科大の現役合格者数及び現役合格率を表16に示します。
表16 早慶上智理科大への現役合格者数及び現役合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
早稲田大学 | 30 | 97 | 55 | 33 |
慶應義塾大学 | 15 | 69 | 64 | 33 |
上智大学 | 5 | 15 | 10 | 5 |
東京理科大学 | 17 | 76 | 26 | 4 |
現役合格者総数 | 67 | 257 | 155 | 75 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
早慶上智理科大現役合格率 | 31.3% | 81.1% | 68.8% | 46.6% |
表16より早慶上智理科大の現役合格者総数では、海城が257人と4校の中で最も多くなっていることが分かります。また、それらへの現役合格率においても、海城が81.1%と4校中1位となっていることが分かります。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と早慶上智理科大への現役合格率を図14に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-014図14 中学入試時点の偏差値と早慶上智理科大への現役合格率
現役生の場合、中学入試時点での偏差値と早慶上智理科大への合格率との間には相関関係がないことが分かります。
現役生及び既卒生
合格者数と合格率
現役生及び既卒生を合算した場合の早慶上智理科大の合格者数及び合格率を表17に示します。
表17 早慶上智理科大への合格者数及び合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
早稲田大学 | 48 | 146 | 89 | 59 |
慶應義塾大学 | 40 | 118 | 102 | 50 |
上智大学 | 10 | 24 | 14 | 6 |
東京理科大学 | 43 | 112 | 61 | 9 |
合格者総数 | 141 | 400 | 266 | 124 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
早慶上智理科大合格率 | 65.9% | 126.2% | 117.7% | 77.0% |
表16より、現役生と既卒生を合算した場合、早慶上智理科大の合格者総数では、海城が317人と4校の中で最も多くなっていることが分かります。また、それらへの現役合格率においても、海城が126.2%と4校中1位となっていることが分かります。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と早慶上智理科大への合格率を図15に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-015図15 中学入試時点の偏差値と早慶上智理科大への合格率
現役生及び既卒生を合算した場合、中学入試時点の偏差値と早慶上智理科大の合格率との間には、明確な関係性がないことが分かります。
現役合格率と既卒合格率
早慶上智理科大に関して、現役生の合格率、既卒生の合格率、そして、現役生及び既卒生を合算した場合の合格率を表18に示します。
表18 早慶上智理科大の合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
現役生の合格率 | 31.3% | 81.1% | 68.8% | 46.6% |
既卒生の合格率 | 34.6% | 45.1% | 49.1% | 30.4% |
現役生及び既卒生の合格率 | 65.9% | 126.2% | 117.7% | 77.0% |
※現役生の合格率、既卒生の合格率、現役生及び既卒生の合格率を算出する際に、それぞれ四捨五入しているので、現役生の合格率に既卒生の合格率を加えた数値が現役生及び既卒生の合格率と合致しない場合があります。
現役生の合格率及び既卒生の合格率の積み上げグラフを図16に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-016図16 現役生の合格率及び既卒生の合格率
表18と図16から、早慶上智理科大に関しては、海城、駒東、筑駒に関しては現役で合格する生徒の割合が高く、巣鴨に関しては現役で合格する生徒の割合が低いことがわかります。
私立大学医学部医学科
要約
- 現役生に限った場合の「私立大学医学部医学科」の合格率に関しては、駒東が17.3%で1位となっています。
- 現役生と既卒生を合算した場合の「私立大学医学部医学科」の合格率に関しては、巣鴨が33.2%で1位となっています。
- 現役生と既卒生を合算した場合、中学入試時点での偏差値では4校中4位であった巣鴨の「私立大学医学部医学科」の合格率は4校中1位となっています。
現役生
合格者数と合格率
私立大学医学部医学科の現役合格者数及び現役合格率を表19に示します。
表19 私立大学医学部医学科への現役合格者数及び現役合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
私立大学医学部医学科現役合格者総数 | 26 | 51 | 39 | 15 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
私立大学医学部医学科現役合格率 | 12.1% | 16.1% | 17.3% | 9.3% |
表19より、私立大大学医学部医学科の現役合格率では、駒東と海城のそれが高くなっていることが分かります。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と私立大学医学部医学科への現役合格率を図17に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-017図17 中学入試時点の偏差値と私立大学医学部医学科への現役合格率
中学入試時点の偏差値と私立大学医学部医学科の現役合格率との間には、明確な関係性がないことが分かります。
現役生及び既卒生
合格者数と合格率
私立大学医学部医学科の合格者数及び合格率を表20に示します。
表20 私立大学医学部医学科への合格者数及び合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
私立大学医学部医学科合格者総数 | 71 | 86 | 56 | 26 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
私立大学医学部医学科合格率 | 33.2% | 27.1% | 24.8% | 16.1% |
表20より、私立大大学医学部医学科の合格率では、巣鴨が4校中1位となっていることが分かります。
中学入試時点の入試難易度と合格率との比較
次に、中学入試時点の偏差値と私立大学医学部医学科への合格率を図18に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-018図18 中学入試時点の偏差値と私立大学医学部医学科への現役合格率
中学入試時点の偏差値と私立大学医学部医学科の現役合格率との間には、負の比例関係があることが分かります。
現役合格率と既卒合格率
私立大学医学部医学科に関して、現役生の合格率、既卒生の合格率、そして、現役生及び既卒生を合算した場合の合格率を表21に示します。
表21 私立大学医学部医学科の合格率の比較
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
現役生の合格率 | 12.1% | 16.1% | 17.3% | 9.3% |
既卒生の合格率 | 21.0% | 11.0% | 7.5% | 6.8% |
現役生及び既卒生の合格率 | 33.2% | 27.1% | 24.8% | 16.1% |
※現役生の合格率、既卒生の合格率、現役生及び既卒生の合格率を算出する際に、それぞれ四捨五入しているので、現役生の合格率に既卒生の合格率を加えた数値が現役生及び既卒生の合格率と合致しない場合があります。
現役生の合格率及び既卒生の合格率の積み上げグラフを図19に示します。
sugamo-kaijo-komatoho-tsukukoma-019図19 現役生の合格率及び既卒生の合格率
表21と図19から、私立大学医学部医学科に関して、海城、駒東、筑駒に関しては現役で合格する生徒の割合が高く、巣鴨に関しては現役で合格する生徒の割合が低いことがわかります。
海外大学への合格実績
THE世界大学ランキング上位100位以内
THEのWorld University Rankings 2020の100位以内に位置する海外大学への合格者数を海外大学名別に示します(表22)。合格者が出ている大学のみを掲載しています。
表22 THE世界大学ランキング上位100位以内の海外大学の合格者数
順位 | 国名 | 大学名 | 巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 |
7 | US | Harvard University | 0 | 1 | 0 | 0 |
18 | Canada | University of Toronto | 0 | 0 | 0 | 1 |
合格者合計 | 0 | 1 | 0 | 1 |
海城と筑駒がそれぞれ1名ずつ大学ランキングの50位以上の大学に多くの合格者を出していることが分かります。
次にTHEのWorld University Rankings 2020の100位以内に位置する海外大学への合格率を表23に示します。
表23 THE世界大学ランキング上位100位以内の海外大学への合格率
巣鴨 | 海城 | 駒東 | 筑駒 | |
Top100合格者総数 | 0 | 1 | 0 | 1 |
卒業生総数 | 214 | 317 | 226 | 161 |
Top100合格率 | 0.0% | 0.3% | 0.0% | 0.6% |
表23よりいずれの学校もTHE世界大学ランキング上位100位以内の海外大学への合格率は低いと言えます。
保護者の方に役立つ情報
子供が勉強に対するやる気がなくて困っている
小学生の子供に中学受験に向けて頑張るメリットを伝えたい
中学校・高校の先生が良い先生なのか判断ができない
中学生・高校生のお子様が志望大学を決められない
高校生・大学生のお子様がやりたいことを見つけられない
世界大学ランキングの上位校に交換留学可能な大学を知りたい
最後に
学校の価値は進学実績だけで測定できるものではありません。どんなに進学実績が良い学校であっても、その学校の生徒が学校生活を楽しんでいなければ本末転倒です。何より大切なことは卒業した生徒本人がその学校に通ってよかったと思っているかどうかです。その生徒の満足度を決定する要素は実に多様であり、生徒によっては進学先がその満足度に強い影響を及ぼすかもしれませんが、私の経験上そのような生徒は少数派だと思います。また、学校での学習だけが進学実績に影響を及ぼしている訳ではなく、塾や通信添削がそれに影響を与えていることも重々承知しています。だから、学校選択においては、お子様がその学校に進学すると仮定した場合に、日々楽しそうに学校に通う姿を想像できるかという観点が非常に重要だと思っています。しかし、進学校と言われる高等学校を選択される生徒及び保護者の方が、各学校の進学実績を学校選択の一つ重要な指標とみなしていることはほぼ間違いないと思います。そのため、今回の記事を進路選択の際の1つの参考資料として扱っていただければ幸いです。
個人で調査をしておりますので、数値に誤りがある可能性があります。誤りがありましたらご指摘いただければ修正いたします。