こんにちは、EduConです。
千葉県内の私立中学校の受験を検討されている保護者の方は、大学合格実績という観点を踏まえると、まずは、渋谷教育学園幕張・市川学園・東邦大東邦・昭和秀英の4校について調査されるのではないかと思います。その4校の進学実績の比較については、「千葉御三家に昭和秀英を加えた4校の進学実績を比較してみました!」という記事をご覧ください。
今回はその4校のうち市川学園市川中学校と東邦大学付属東邦中学校の2校に特化して分析をしていきます。東邦大東邦の生徒は、東邦大学医学部医学科への特別推薦枠を活用することができます。この特別推薦枠の存在を踏まえて、2020年度の最新の大学合格実績の分析結果を基に、両校を比較しました。
東邦大学付属東邦高校においては、完全中高一貫化実施後の1期生となる生徒が、2020年3月に東邦大東邦高を卒業しました。東邦大学付属東邦高校の完全中高一貫化による大学合格実績の変化に興味がある方は 「【東邦大東邦】完全中高一貫化初年度の進路実績を検証する」という記事をご覧ください。
学校の価値は進学実績だけで測定できるものではありません。どんなに進学実績が良い学校であっても、その学校の生徒が学校生活を楽しんでいなければ本末転倒です。何より大切なことは卒業した生徒本人がその学校に通ってよかったと思っているかどうかです。その生徒の満足度を決定する要素は実に多様であり、生徒によっては進学先がその満足度に強い影響を及ぼすかもしれませんが、私の経験上そのような生徒は少数派だと思います。また、学校での学習だけが進学実績に影響を及ぼしている訳ではなく、塾や通信添削がそれに影響を与えていることも重々承知しています。だから、学校選択においては、お子様がその学校に進学すると仮定した場合に、日々楽しそうに学校に通う姿を想像できるかという観点が非常に重要だと思っています。
しかし、私立の中高一貫校を選択される児童及び保護者の方が、各学校の進学実績を学校選択の一つ重要な指標とみなしていることはほぼ間違いないと思います。そのため、今回の記事を中学校選択の際の1つの参考資料として扱っていただければ幸いです。
市川と東邦大東邦の2020年度大学合格実績の特徴
難関国立大学及び国公立大学医学部への現役合格者数は、市川が67人、東邦大東邦が37人と、市川の方が 30人も多いです。この人数だけを見れば、東邦大東邦の大学合格実績は市川に遠く及ばないと思われる方も多いかもしれません。
でも、市川の卒業生総数は427人で東邦は317人だから、単純に合格者数で比較するのはおかしいですよね?現役合格率が同一なら、市川の方が合格者数が多くなるのは当たり前ですよね。
たしかにそうですね。そこで、難関国立大学及び国公立大学医学部への現役合格率を計算してみます。現役合格率は、市川が15.7%、東邦大東邦が11.7%と、市川の方が4.0%現役合格率が高くなっています。
現役合格率でみても、市川の方が上なら、両方合格したら市川一択ですね!
ちょっと待ってください。市川になくて東邦大東邦にある最大の特色を忘れていませんか?
知っていますよ。東邦大医学部医学科の特別推薦枠の存在ですよね?
その通りです。旧帝大のような難関大学の医学部に合格することと比較すれば東邦大医学部医学科(一般入試)に合格することは若干容易かもしれませんが、旧帝大の医学部以外の学部に合格することを考えたら、旧帝大でも大学や学部次第では、東邦大医学部医学科に合格することの方が難しい場合もあるかもしれないですよね?
入試に必要な科目数が異なるので単純な比較はできないですけれど、一般入試で東邦大医学部医学科に合格するこが、国公立難関大に合格することに匹敵することは納得できます。
東邦大東邦は15人の生徒が東邦大医学部医学科の特別推薦を使うことできます。この15人を東邦大東邦の難関国立大学及び国公立大学医学部への現役合格者数に加えると合計で52人になります。15人増えましたが、市川の67人に比べると、まだ15人少ないですね。
結局、市川ですね。
でも、現役合格率を再計算すると東邦大東邦のそれは16.4%になり、市川の15.7%を超えます。
ほぼ互角ですね。東邦大東邦の東邦大医学部医学科への特別推薦枠は、どの学年でも必ず15人の枠があり、15人は必ず東邦大医学部医学科に進学できることを考えると、東邦大東邦の魅力がぐっと増しますね。
そうですね。正確な推薦基準は分かりませんが、調査書の点数が高い生徒から推薦枠が決まることはほぼ間違いないでしょう。調査書の点数が高いということは、定期考査で高得点をとってきたということです。
大学受験の怖いところは、調査書の点数が高い生徒が難関大学に合格するとは限らないということです。それは、調査書の点数に最も影響を与える定期考査と難関大学の入試問題を比較した場合に、問題の質と出題される範囲が大きく異なっているからです。
だから、医学部進学への可能性を残しつつ、模試の成績が良ければ難関国公立大学や難関私立大学への挑戦へと切り替えることができる東邦大東邦はかなり魅力的な選択肢だと思います。
医学部以外の学部への合格を考えるとどうなんでしょうね?
理系と文系に分かれて進学実績が掲載されている大学が東大と京大しかないので、あとはそれに理系学部しかない東工大と文系学部しかない一橋大学を加えて、理系、文系それぞれの合格者数を計算してみました。
詳細は別途示しますが、特徴だけお伝えすると、文系(東大文系+京大文系+一橋)学部の現役合格者数は市川が18人、東邦大東邦が2人、現役合格率は市川が4.2%、東邦大東邦が0.6%でした。
難関大学への進学を希望しているけれども、まだ文系学部に進学するか理系学部に進学するかを決められていない小学生は、市川の方が良いかもしれませんね。
東大、京大、一橋大以外の大学における文系学部への合格者数が分からないので、そのように簡単に結論付けることは避けたいのですが、東大、京大、一橋大の文系学部に限って言えば市川に進学した方が現役合格確率が上がるとは言えそうですね。
難関国立大学の医学部を除く理系学部への進学はどうでしょうか。
難関大学の理系(東大理系+京大理系+東京工業大学)学部の現役合格者数は市川が14人、東邦大東邦が12人、現役合格率は市川が3.3%、東邦大東邦が3.8%でした。東大理系+京大理系+東京工業大学に関していうと、どちらを選んでも現役合格率に大差はないと思います。
難関私立大学への進学実績も気になりますよね。
早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学への現役合格率については、市川の方が10%以上高いです。
一般受験における私立大学医学部医学科への進学実績はどうですか。
一般受験における私立大学医学部医学科への現役合格率は、市川の方が東邦大東邦より若干高くなっています。
では、データを細かく見ていきたいと思います。
市川と東邦大東邦における大学別の大学合格実績の特徴
難関国立大学 + 国公立医学部
表1 難関国立大学及び国公立医学部への現役合格者数及び現役合格率の比較
現役合格のみ | |||
市川 | 東邦大東邦 | ||
東京大学 | 文系 | 4 | 1 |
理系 | 7 | 1 | |
京都大学 | 文系 | 0 | 0 |
理系 | 1 | 1 | |
北海道大学 | 7 | 4 | |
東北大学 | 10 | 10 | |
名古屋大学 | 0 | 1 | |
大阪大学 | 4 | 1 | |
九州大学 | 1 | 2 | |
東京工業大学 | 6 | 10 | |
一橋大学 | 14 | 1 | |
国公立医学部(上記の大学の医学部は除く・防衛医大は含む) | 13 | 5 | |
難関国立大学及び国公立医学部の現役合格者総数 | 67 | 37 | |
卒業生総数 | 427 | 317 | |
難関国立大学及び国公立医学部の現役合格率 | 15.7% | 11.7% |
出典:東邦大東邦公式ウェブサイト進学実績、2020年インターエデュ東邦大東邦大学合格者数、市川学園公式ウェブサイト進学実績、2020年インターエデュ市川学園大学合格者数
表1を見ていただくと、難関国立大学及び国公立医学部への現役合格者総数では、市川の方が東邦大東邦より30人多く、それらへの現役合格率で比較しても、市川が15.7%、東邦大東邦11.7%で市川の方が東邦大東邦より4.0%高くなっていることが分かります。
難関国立大学 + 国公立医学部 + 東邦大医学部医学科
ここで、学校における成績上位の生徒のみが応募できる指定校推薦制度を考慮してみます。進学校間の比較の大きな枠組みで見れば、市川も東邦大東邦も同程度の大学合格実績をもつ学校であることから、各大学からの指定校推薦の枠もほぼ同程度だと推測されます。そのため、一般的な指定校推薦制度の存在は両校の大学合格実績の比較に影響を与えないという前提で議論を進めてます。
一方で、東邦大東邦は、東邦大学の付属校であるため、一般的な指定校推薦制度以外に、東邦大学への特別推薦制度があります。これは、市川との決定的な違いです。特に、東邦大学医学部医学科への特別推薦は、東邦大東邦でも成績上位の生徒が利用すると推測されるため、この東邦大学医学部医学科への特別推薦を使った生徒については、大学合格実績の比較の際に、何らかの配慮をする必要があると思います。
東邦大東邦の公式サイトによると、東邦大学医学部医学科への特別推薦に関して以下のように書かれています。
本校は東邦大学の付属校ということで、東邦大学の特別推薦枠があります。医学部医学科は10名、薬学部は10名、理学部は各学科3名、看護学部1名の推薦枠があります。医療系の人気は非常に高いものがあります。この東邦大学の特別推薦枠は本校の強い特色のひとつです。
しかしながら、2020年度のデジタルパンフレットの16ページには、東邦大学医学部医学科への推薦入学者数は15名と記載されています。そのため、今回の調査では最新のデジタルパンフレットに記載されている15名を東邦大学医学部医学科への推薦入学者数としました。
上記の点を踏まえ、東邦大東邦の「難関国立大学及び国公立医学部の現役合格者総数」に東邦大学医学部医学科への特別推薦枠の人数を加えて、現役合格率を再計算します。医学部への特別推薦の人数だけを加算するのは、その特別推薦枠をもらえる生徒は、学校における成績優秀な生徒であり、そのような生徒が一般受験をすれば難関国立大や国公立医学部に合格可能であると考えたからです。
表2 難関国立大学+国公立医学部への現役合格者数及び現役合格率の比較(東邦大東邦の東邦大医学部医学科への特別推薦枠を考慮)
現役合格のみ | ||
市川 | 東邦大東邦 | |
難関国立大学及び国公立医学部の現役合格者総数 | 67 | 37 |
東邦大医学部医学科特別推薦枠 | 0 | 15 |
難関国立大学及び国公立医学部の現役合格者+東邦大医学部医学科 | 67 | 52 |
卒業生総数 | 427 | 317 |
難関国立大学及び国公立医学部の現役合格者+東邦大医学部医学科の現役合格率 | 15.7% | 16.4% |
表2から、東邦大学医学部医学科への特別推薦枠を考慮に入れると、東邦大東邦の現役合格率が市川に接近することが分かります。
表1と表2を統合して考えると、医学部進学への可能性を残しつつ、模試の成績が良ければ難関国公立大学や難関私立大学への挑戦へと切り替えることができる東邦大東邦への進学はかなり魅力的な選択肢だと思います。正確な推薦基準は分かりませんが、調査書の点数が高い生徒から推薦枠が決まることはほぼ間違いないでしょう。調査書の点数が高いということは、定期考査で高得点をとってきたということです。
大学受験の怖いところは、調査書の点数が高い生徒が難関大学に合格するとは限らないということです。それは、調査書の点数に最も影響を与える定期考査と難関大学の入試問題を比較した場合に、問題の質と出題される範囲が大きく異なっているからです。
東大や京大の入試問題レベルの問題を定期考査に出題する高校は、日本の全ての高校の中で本当に一部の高校だけでしょう。他の高校の定期試験は、東大や京大の入試問題と比較すれば間違いなく簡単な問題です。そのため、定期試験においては入試問題を解けるようになる努力よりは少ない努力で高得点を取ることが可能です。このことから、定期試験で高得点を取れることが、必ずしも難関大学の入試問題を解けることを意味しないと言えます。
また、定期考査は限定された範囲の試験であるのに対して、大学入試は広範な範囲を対象とする試験です。範囲が膨大となると対応できなくなる生徒でも、狭い範囲では高得点を取れる場合はあります。言い換えれば、狭い範囲の定期試験では高得点を取り、調査書の点数を高くすることができても、難関大学の入試で高得点を取れない可能性は十分にあるということです。
この2つの観点を踏まえると、日々の定期考査に対してコツコツと努力できる生徒にとっては、その努力が高得点の調査書という成果につながり、さらにその調査書が医学部への進学に決定的な役割を果たすという点で、東邦大東邦への進学は非常に魅力的な選択になります。
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学
表3 東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への現役合格者数及び現役合格率の比較
現役合格のみ | |||
市川 | 東邦大東邦 | ||
東京大学 | 文系 | 4 | 1 |
京都大学 | 文系 | 0 | 0 |
一橋大学 | 14 | 1 | |
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への現役合格者数 | 18 | 2 | |
卒業生総数 | 427 | 317 | |
東大文系 + 京大文系 + 一橋大学への現役合格率 | 4.2% | 0.6% |
表3を見ていただくと、東大文系 、京大文系 、そして一橋大学への現役合格者総数では、市川が18人、東邦大東邦が2人と、市川の方が東邦大東邦より16人多く、それらへの現役合格率で比較しても、市川が4.2%、東邦大東邦0.6%で市川の方が東邦大東邦より3.6%高くなっていることが分かります。
このことから、少なくとも東大文系 、京大文系 、そして一橋大学への進学を目指すなら市川の方が現役で合格できる確率が高いといえます。もちろん、それらの大学以外の文系学部への合格実績が開示されていないため、難関大学の文系学部への合格を目指すなら市川と言い切れるわけでもありません。しかしながら、最難関の東大・京大・一橋の文系への現役合格率が高い点を踏まえると、難関大の文系学部の合格に向けた進路指導は市川の方が優れている可能性が高いと言えそうです。
東大理系 + 京大理系 + 東京工業大学
表4 東大理系 + 京大理系 + 東京工業大学への現役合格者数及び現役合格率の比較
現役合格のみ | |||
市川 | 東邦大東邦 | ||
東京大学 | 理系 | 7 | 1 |
京都大学 | 理系 | 1 | 1 |
東京工業大学 | 6 | 10 | |
東大理系 + 京大理系 + 東京工業大学への現役合格者数 | 14 | 12 | |
卒業生総数 | 427 | 317 | |
東大理系 + 京大理系 + 東京工業大学への現役合格率 | 3.3% | 3.8% |
表4を見ていただくと、東大理系、京大理系 、そして東京工業大学への現役合格者総数では、市川が14人、東邦大東邦が12人と、市川の方が東邦大東邦より2人多なっています。一方で、それらへの現役合格率で比較すると、市川が3.3%、東邦大東邦が3.8%で、東邦大東邦が市川より0.3%高くなっていることが分かります。
このことから、東大理系 、京大理系 、そして東京工業大学への進学については、どちらを選んでも現役合格率はあまりかわらないといえます。もちろん、どうしても東大の理系に行きたいということであれば、現役合格者数が市川が7人に対して東邦大東邦が1人ですので、現役合格率を計算するまでもなく、市川のほうが良いということになるでしょう。一方で、東大の進振制度により自分が行きたくない専攻に配属されるのが嫌で、入学時点で専攻が確定する京大や東京工業大学の方に進学したいという生徒もいるかもしれまん。そういう確固たる考えをもつ生徒であば、現役合格率が若干高いので、東邦大東邦の方が良いのではないでしょうか。
早慶上智理科大
続いて、難関私立大学である、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学の現役合格者数に関して、市川と東邦大東邦とを比較していきます。
表5 早慶上智理科大への現役合格率の比較
現役合格のみ | ||
市川 | 東邦大東邦 | |
早稲田大学 | 107 | 50 |
慶應義塾大学 | 77 | 34 |
上智大学 | 33 | 31 |
東京理科大学 | 104 | 78 |
早慶上智理科大の現役合格者総数 | 321 | 193 |
卒業生総数 | 427 | 317 |
早慶上智理科大の現役合格率 | 75.2% | 60.9% |
表5をみると、早慶上智理科大の現役合格率については、市川が東邦大東邦を圧倒していることが分かります。難関国立大学及び国公立医学部の現役合格率の分析のときと同様に、東邦大学医学部医学科への特別推薦枠10人を合格者総数に加算してして、早慶上智理科大の現役合格率を計算します。
表6 早慶上智理科大への現役合格率の比較(東邦大東邦の東邦大医学部医学科への特別推薦枠を考慮)
現役合格のみ | ||
市川 | 東邦大東邦 | |
早慶上智理科大の現役合格者総数 | 321 | 193 |
東邦大医学部医学科特別推薦枠 | 0 | 15 |
早慶上智理科大の現役合格者総数+東邦大医学部医学科特別推薦枠 | 321 | 208 |
卒業生総数 | 427 | 317 |
早慶上智理科大の現役合格者総数+東邦大医学部医学科特別推薦枠 の現役合格率 | 75.2% | 65.6% |
東邦大学医学部医学科への特別推薦枠を加算しても、早慶上智理科大への現役合格率は、市川の方がかなり高いことが分かります。
早慶上智大
ここで、東邦大学医学部医学科への特別推薦枠を加算した上での、早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学の3校合計の合格者数をみてみます。
表7 早慶上智大への現役合格率の比較(東邦大東邦の東邦大医学部医学科への特別推薦枠を考慮)
現役合格のみ | ||
市川 | 東邦大東邦 | |
早慶上智大の現役合格者総数 | 217 | 115 |
東邦大医学部医学科特別推薦枠 | 0 | 15 |
早慶上智大の現役合格者総数+東邦大医学部医学科特別推薦枠 | 217 | 130 |
卒業生総数 | 427 | 317 |
早慶上智大の現役合格者総数+東邦大医学部医学科特別推薦枠 の現役合格率 | 50.8% | 41.0% |
表7から早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学という3校への現役合格率は市川の方が高いことが分かります。また、早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学は、文系学部に在籍する生徒数の方が理系学部に在籍する生徒数よりも圧倒的に多いことを踏まえると、市川は東邦大東邦より早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学の文系学部に合格できる確率が高いと言えそうです。
ただ、優秀な生徒は、複数の大学の複数の学部を受験し、そして合格できます。そのため、早慶上智理科大の合格者数が多いといっても、必ずしも多くの生徒が現役で早慶上智理科大に合格しているとは言い切れません。少数の生徒が複数の大学や複数の学部から合格をもらっている可能性があるからです。この点を踏まえると、難関国立大学及び国公立医学部への現役合格率で比較をしたほうが、両校の大学合格実績を正確に比較していることになるように思われます。
私立大学医学部医学科
最後に私立大学の医学部医学科ついてみていきます。私立大学の医学部に関しての現役合格者数の算出においては、東邦大東邦の私立大学医学部医学科の合格者数から東邦大医学部医学科の特別推薦枠の人数を控除します。一般受験における私立大学医学部医学科の合格実績を比較するためです。
表8 私立大学医学部医学科への現役合格率の比較(東邦大東邦の東邦大医学部医学科への特別推薦枠を考慮)
現役合格のみ | ||
市川 | 東邦大東邦 | |
私立大学医学部医学科の現役合格者総数 | 14 | 23 |
東邦大医学部医学科特別推薦枠 | 0 | 15 |
東邦大医学部医学科特別推薦枠の人数を控除した後の私立大学医学部医学科の現役合格者総数 | 14 | 8 |
卒業生総数 | 427 | 317 |
東邦大医学部医学科特別推薦枠の人数を控除した後の私立大学医学部医学科の現役合格率 | 3.3% | 2.5% |
表8を見ていただくと、私立大学医学部医学科への現役合格者総数では、市川が14人、東邦大東邦が8人と、市川の方が東邦大東邦より6人多なっています。また、それらへの現役合格率で比較すると、市川が3.3%、東邦大東邦が2.5%で、市川が東邦大東邦より0.8%高くなっていることが分かります。このことから、一般受験における私立大学医学部医学科への現役合格率については、市川の方が若干進学実績が良いことが分かります。
保護者の方に役立つ情報
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中学校・高校の先生が良い先生なのか判断ができない
中学生・高校生のお子様が志望大学を決められない
高校生・大学生のお子様がやりたいことを見つけられない
最後に
個人で調査をしておりますので、数値に誤りがある可能性があります。誤りがありましたらご指摘いただければ修正いたします。