学校教員と塾講師の違いは?やりがい・仕事内容・労働時間・給料などを比較してみた。

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大学生
大学生

将来教育に関する仕事に就きたいと思っています。学校の教員になるか塾講師になるか決めかねています。EduConさんはどちらも経験してますよね?どっちが良いですか?

 

EduCon
EduCon

どっちが良いかは人によるので、どっちが良いとは断言できないです。ただ、1つだけ強く伝えたいことがあります。それは、学校の先生になりたいという思いが1%でもあるなら教職課程を履修して、教員免許を取得しておいた方が良いということです。

大学生
大学生

でも、学校の先生になるかどうかもわからないのに、大変だと言われている教職課程の勉強をやりきれる自信がないです。

EduCon
EduCon

その程度の勉強ができないのなら、学校の先生になろうが、塾の先生になろうが、それ以外の企業に就職しようがどのみちやっていけなくなりますよ。教員免許というのは大学で得られる大きな財産の一つなんです。

社会人になってから教員免許を取得しようと思ったらめちゃくちゃ大変ですよ。まず、教員免許を取得するために必要な単位を通信課程で履修しなければなりません。仕事と並行して通信課程の勉強もするいう生活を最低でも2年間継続しなければなりません。そして、必ず履修しなければならない単位の中に教育実習(2週間~3週間)と介護等の体験(7日間程度)があります。この2つの単位を取るためには、仕事を休まなけばなりませんが、その交渉が大変です。場合によっては、退職せざるをえなくなるかもしれません。

大学生
大学生

でも今はどちらかといえば塾講師の方に惹かれています。

EduCon
EduCon

5年間塾講師をやったあとに、塾講師ではなく学校の先生になりたいと思う可能性もありますよね。だって、教育そのものに興味があるのですから。

大学生
大学生

それはあるかもしれません。まずは教職課程頑張ってみます。途中でどうしてもつらくなったらまた相談します。

EduCon
EduCon

それで良いと思います。まずは、教職課程の授業を受けていきましょう。
では、本題の学校の教員と塾教師の違いについて説明していきますね。

一口に学校の教員と言っても、様々な職務形態で働いている先生がいるので学校の教員についてはより細かく分類します。なぜなら、細かく分類された職務形態における働き方の特性を知っておくことが、大学生の皆さんの進路選択の助けになると思うからです。

細かく分類した職務形態に関して、「教育への専念度」・「利益追及の楽しさ」・「労働時間」・「給料」・「雇用の安定性」の5観点で評価し、点数化した結果を提示します。そして、学校の教員(4種類)、集団指導塾の講師職、個別指導の講師職という6種類の仕事について、5観点に関して詳しく説明していきます。最後に、学校の教員と塾講師との選択で悩んでいる大学生にメッセージを伝えたいと思っています。

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「教える」ことに携われる仕事を6種類に分類

EduCon
EduCon

数学とか英語とかの教科を教えるっていうことが一番の希望なんですよね?それとも、Z会とかベネッセみたいに教育に関係する仕事ができれば教えなくてもいいのですか?

大学生
大学生

集団授業であれ、個別授業であれ、生徒に国語を教えるということがしたいです。

EduCon
EduCon

対象の生徒は、小学生、中学生、それとも高校生ですか?

大学生
大学生

高校生がいいです。

EduCon
EduCon

では、まず教えるということに携われる仕事を表1にまとめて示します。

表1 生徒に教科を教えることができる仕事

分類 職場 職種 職務の概要
1 国公立高校 教諭 授業に加え、授業以外の全ての業務に携わる
2 国公立高校 非常勤講師 基本的には授業のみを実施する
3 私立高校 専任教諭 授業に加え、授業以外の全ての業務に携わる
4 私立高校 非常勤講師 基本的には授業のみを実施する
5 集団指導塾 講師職 集団授業に加え、授業以外の全ての業務に携わる
個別指導塾
家庭教師
講師職 プロ講師として授業のみを担当する

教科を教えることができる仕事は、働く場所によって、国公立高校(分類1・分類2)、私立高校(分類3・分類4)、民間企業・個人事業主(分類5・分類6)の3つに大別されます。それぞれの働く場所において、さらに職種によってより細かく分類されるというイメージです。

6種類の仕事の比較(まとめ)

評価基準の定義

上記の6種類の仕事を、「教育への専念度」・「利益追及の楽しさ」・「労働時間」・「給料」・「雇用の安定性」の5観点について、表2の評価基準に従い評価をします。

表2 評価基準

教育への専念度 利益追及の楽しさ 労働時間 給料 雇用の安定性
3点 教育に完全に専念 利益追及ができる サービス残業が少ない 高い 安定
2点 教育と利潤追求が半々 利益追及が多少できる サービス残業がある 普通 景気次第
1点 利潤追求最優先 利益追及ができない サービス残業がかなり多い 低い 不安定

それぞれの観点について点数の付け方を細かく説明します。各項目においてより良い条件に最高点の3点をつけ、条件が悪化する順に2点、1点と段階的に点数を下げていっています。

「教育への専念度」については、教育ということに専念できるのかどうか、言い換えれば、働く際に教育以外のこと例えば利益追求のことを考えなければいけないのかどうか、という点で評価基準を設定しています。所属する組織の収益を上げることに気を取られることなく教育活動のみに専念できる場合に最高点の3点をつけています。

「利益追及の楽しさ」については、利益を上げるという行為が評価されるかどうかということを基準としています。利益を上げることは、売上を上げることとコストを下げることの双方の成果です。そのような行為によって、会社から評価され、結果としてそれが働くやりがいとなる場合に最高点の3点をつけています。

「労働時間」については、サービス残業があるのかどうかという点で評価基準を設定しています。公立学校の教員は、『公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)』第3条第2項に、『時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。』 という記述があるため、残業代が支払われなくても法的な問題はありません。しかし、勤務時間という概念は存在するので、公立学校の先生の場合は、勤務時間を超過しての勤務をサービス残業とみなしています。一方で、私立学校や塾は給特法の適応対象外ですので、契約書に記載された勤務時間を超過しかつその超過勤務に対して残業代が支払われない場合には、サービス残業となります。教育業界でサービス残業がないということはほぼないので、サービス残業が少ない場合に最高点の3点をつけています。

「給料」については、ボーナスや残業代を含めた年収で評価しています。平均年収が1,000万円を超える場合に最高点の3点をつけています。平均年収600〜1,000万円を目安として2点を、平均年収600万円未満を目安として1点をつけています。

「雇用の安定性」については、正規の雇用であるかどうか、終身雇用かどうか、景気の変動による解雇のリスクが低いかどうかを判断基準としています。正規雇用であり、終身雇用の形態であり、かつ景気の変動を受けにくい仕事の場合に最高点の3点をつけています。

評価の結果の一覧

上記の評価基準を基にした各仕事の評価結果を表3に示します。

表3 6種類の仕事に対する完全な独断に基づく評価

職場 職種 専念度 利益追及 労働時間 給料 安定性 総合
1 国公立高校 教諭 3点 1点 1点 2点 3点 10点
2 国公立高校 非常勤講師 3点 1点 2点 1点 1点 8点
3 私立高校 専任教諭 2点 2点 1点 2~3点 3点 10~11点
4 私立高校 非常勤講師 3点 1点 2点 1点 1点 8点
5 集団指導塾 講師職 2点 3点 1点 1~2点 2点 9~10点
個別指導 講師職 2点 2点 2点 1点 1点 8点

6種類の仕事の詳細

ここからは、6種類の仕事のそれぞれに関して、次の順序で記述していきます。

  1. 仕事の概要の提示
  2. 採用プロセスの提示
  3. 表3で示した評定について詳しく説明
  4. 各仕事の数値化しにくい特徴について説明

国公立高校の教諭

概要

国公立高校の教諭は、国立と公立との間で違いはあるものの、私立高校や塾と比べれば両者は公務員的な側面が強く共通点も多いため同じ職種として分類しました。

国公立高校の教諭の仕事は、一言で言ってしまえば、学校内での活動の全てに関与する仕事です。授業をし、担任としてクラスの運営をし、部活の顧問をし、文化祭・体育祭・修学旅行などが生徒にとっての成長の場となるように準備をします。

公務員的な雇用形態で雇われているという点では、国立高校の教員と公立高校の教員は共通しています。公務員的と書いたのは、国立の高校の教員は国立大学法人に雇用されており、厳密には公務員とは言えないからです。しかしながら、終身雇用である点、年功序列の給与形態である点など共通項が多いことから同列に扱っても良いのではないかと考えています。

一方で、両者の間には相違点もあります。国立の高校の先生には人事異動がない一方で、公立の高校の先生にはそれがあります。この点は、採用プロセスの相違と関連性があります。

採用プロセス

国立高校と公立高校は、採用の形態が異なります。

国立の高校は、学校ごとに教員採用を行います。例えば、東京工業大学附属科学技術高等学校のウェブサイトには「教職員公募」のページが常設されていて、学校独自に教員の採用を実施しています。同校の教員公募がある場合にはそのページに職名や職務内容が掲載されます。

一方で、公立高校の場合は、都道府県の教育委員会がそれぞれの都道府県の高校で働く教員を募集します。都道府県によっては、高校のみの教員の採用がなく、中学校と高校の双方で働くことを前提とした採用のみが行われます。後者の都道府県の高校教員になりたい場合には、中学校と高等学校の双方の教員免許が必要となります。以前は働きたい高校を選ぶことはできませんでしたが、近年各高校の公募に応募することにより希望の高校で勤務できるようになった都道府県もあります。

評価

国公立高校の教諭の評価の結果は次の通りです。「教育への専念度」と「雇用の安定性」は大きな魅力となる一方で、「利益追及の楽しさ」と「労働時間」という観点においては、魅力的とは言えません。

職場 職種 専念度 利益追及 労働時間 給料 安定性 総合
1 国公立高校 教諭 3点 1点 1点 2点 3点 10点

「教育への専念度」に関していうと、国公立高校の教諭は、高校の財政について考える必要がないため、教育そのものに専念できます。一方で、私立高校や塾の場合は、生徒数が減少すると教員や講師に給料を支払うことができなくなったり、学校や校舎を閉めたりしなければならないため、教育についても考える一方で収益についてもある程度は考えなければなりません。収益について考えずに教育の質の向上だけに専念したいという人には国公立高校の先生は合っているでしょう。

「利益追及の楽しさ」は全く味わえないと言っても過言ではないでしょう。なぜなら、国公立高校の存在意義は利益の追求ではないからです。目に見える短期的な成果が欲しい人にとっては、国公立高校の教諭は不向きです。営利を追求する塾であれば、それこそ月単位で売上が集計され、その増減により自身の成果を確認することができます。国公立高校の教諭でそのような成果を得ることは不可能です。

「労働時間」に関しても、サービス残業の時間は相当に長いです。benesseが実施した「⑤教員の勤務実態と意識」によると、高校の先生が学校にいる時間は、11時間33分となっています。この調査は、国公立高校の先生のみを対象とした調査ではないですが、国公立高校の先生も概ねこのように長時間働いていると推察されます。教育に携わることができているのだから、サービス残業も問題ないですという人であれば、気にならないかもしれません。しかし、2、3年の短期間ならまだしも、10年、20年単位で、このように長時間働き続けられるかどうかについては真剣に考えておく必要があるかもしれません。

公立高校の教諭の「給料」は、どの地方公共団体においても公表されています。地方公共団体にもよりますが、平均年収は600〜700万円だと思われます。例えば、大阪府の職員のモデル年収額によると、35歳教諭の年収は622万円、45歳教諭の年収は734万円となっています。一部の私立高校と比べれば安いですが、資本金10億円以上の株式会社における平均給与635万円(男子732万円、女子334万円)(国税庁)とほぼ変わらない給料をもらえる点を良い点だと捉えることもできるでしょう。

「雇用の安定性」も、国公立高校の先生の大きな魅力の1つです。この魅力の源泉は、公立高校の先生が公務員であるということです(国立高校の先生に関しては若干異なります)。公務員に準じた雇用形態のため、犯罪を犯さない限り解雇されることはほぼありません。もちろん、かつて夕張市が財政破綻したように、地方公共団体の破綻した場合にはこの雇用の安定性が脅かされます。もし、その点が不安なら、東京都などの税収が多い地方公共団体の教員になると、解雇の不安に苛まれる確率が低下するでしょう。

特徴

国公立高校の教諭は、組織の利益を考えることなく、教育活動に専念できます。それは、大きな魅力なのですが、一方で、目に見える短期的な成果を求める気質のある人には辛い側面もあるかと思いましう。なぜなら、教育というのはその成果が直接的に見えにくいという側面を持っているからです。英語の先生になったとしましょう。成果を可視化しやすい模試の成績に限れば、自身が担当しているクラスの模試の偏差値が、他の先生が担当しているクラスのそれよりも高かった場合、自身の英語の授業の成果があったと思えるかもしれません。ただし、この場合でも、生徒の通塾率はどれほどか、英語の学習歴はどうなのか、などの授業以外の要因を考慮したら、自身の授業の生徒の成績に対する影響はあまり大きくないという結論になってしまうかもしれません。

教諭は、非常勤講師とは異なり、授業以外の様々な場面で生徒と関わることができます。行事や部活がその主たる場面だと思いますが、そのような授業以外での生徒との関わりに魅力を感じて、非常勤講師や塾の先生ではなく、専任の教諭になりたいと思う人もいると思います。確かに、部活動に関しては、大会の成績という形で先生の取り組みの成果が反映される場合もあります。しかし、学習指導要領に記載されている「学びに向かう力、人間性など」の能力については、成果を目に見える形で把握することが非常に難しいです。その力と関連する事象が多すぎて先生の活動とその力がどのように関連しているのかを立証することが難しいですし、私が知る範囲ではその力の評価手法が確立されてていません。そのため、自身が取り組んでいることの、生徒の能力の伸長に対する寄与を実感することができません。結果として、高い理想を抱き教師になった人は「何のために自分が存在しているのか?」という疑問に対する答えを見つけることができず苦悩するかもしれません。

国立高校ではなく公立高校の教諭を選択する時に、最も考慮すべき点は人事異動だと思います。地方公共団体によって、1つの高校に在籍できる年数は異なりますが、3〜7年ぐらいで人事異動があるのが一般的ではないでしょうか。そうなると、30年以上に渡る教員人生において、いわゆる進学校から教育困難校まで幅広く勤務をすることになります。教育困難校については、アルファベットが書けない高校生も…日本「教育困難校」の危険な実態」という記事を読んでみてください。進学校と教育困難校とでは教員に求められる能力は全く異なります。進学校では東京大学の入試問題を解説できる能力が求められるでしょう。しかし、教育困難校ではその能力は全く役に立たないと言って良いでしょう。公立学校の人事異動は、民間企業の勤務に例えると、数年に1回、異なる業種に転職している感覚に近いと思います。私自身も複数回の転職を経験しましたが、新しい職場での仕事に慣れるのに相当な労力を要しました。おそらく、人事異動の度に赴任高校に慣れるために相当な努力をされている先生が多いのではないかと思われます。様々な教育の現場を体験することで、多様な生徒に対応できる先生になりたいという人にはこの人事異動制度は向いているでしょう。しかし、特定の分野の教育の専門性を高めたい、例えば、進学校での教育の専門性を高めたいとか、教育困難校の教育の専門性を高めたい、という思いがある人には公立高校の教諭になるという進路選択は良い選択とは言えないかもしれません。

一部の都道府県に限った話になるかもしれませんが、大手の塾がある場所では、学校の授業よりも塾の授業の方が大事だと考える生徒も一定数います。せっかく学校の先生になったのに、勉強面に関してはあまり生徒から期待されていないし、頼られもしないという状況もあるかもしれません。ただ、その点に関しては先生の努力次第で解決できる問題だと思います。

国公立高校の非常勤講師

概要

国公立高校の非常勤講師とは、非正規で働いている先生方のことです。地方公共団体毎に非正規の先生の名称は異なります。例えば、東京都の場合は時間講師、群馬県の場合は臨時的任用教員や非常勤講師と呼ばれています。時給制であり、勤務した時間数に応じて給料が支払われます。

非正規の先生の場合でも、授業だけでなく、担任としてのクラス運営 、校務分掌、部活動の顧問等を任される場合もあります。そうなると実質的な仕事内容が教諭と同じになってしまい、非正規の教員(非常勤講師、時間講師、臨時的任用教員)と正規の教員(教諭)との差を説明しにくくなりますので、ここでは非常勤講師は授業のみしか担当しない先生と定義して、話を進めていきたいと思います。

採用プロセス

国立高校の数は非常に少ないので、公立高校の非常勤講師の採用プロセスについて説明をします。

採用プロセスは都道府県の教育委員会のウェブサイトに掲載されます。東京都教育委員会のウェブサイトに掲載されている非常勤教員の採用プロセスの概要を以下に記します。

  1. 申込書と所定の選考シートを提出する。
  2. 書類及び面接による選考を受ける。

教諭の場合の採用プロセスと比較すると非常勤講師の採用プロセスはかなり簡易化されていることがわかるかと思います。

評価

国公立高校の非常勤講師の評価の結果は次の通りです。「教育への専念度」と「労働時間」は大きな魅力となる一方で、「利益追及の楽しさ」、「給料」、「安定性」という観点においては、魅力的とは言えません。

職場 職種 専念度 利益追及 労働時間 給料 安定性 総合
2 国公立高校 非常勤講師 3点 1点 2点 1点 1点 8点

「教育への専念度」に関していうと、国公立高校の非常勤講師は、教諭と同様に、教育そのものに専念できます。なぜなら、給料の原資が税金であるため、収益について考える必要がないためです。また、そもそも授業をすることのみが求められている場合が多いため、学校の収益について考える必要はないとも言えます。収益について考えずに教育の質の向上だけに専念したいという人には国公立高校の先生は合っているでしょう。

「利益追及の楽しさ」については、教諭の場合と同様に、利益の追求はできません。理由は、前述した通りです。

「労働時間」に関しては、教諭と比較すればサービス残業は少ないですが、実質「ある」と言えるでしょう。授業のみを担当する先生の場合、授業の準備時間に関しては時給が発生しないのが一般的です。そのため、キャリアの初期段階においてはサービス残業が発生する時期もあります。しかしながら、教材が変わらなければ、一度授業準備をすればそれを再利用することができます。もちろん、生徒の状況に応じて随時授業内容を変更していく必要はありますが、ゼロから準備することと比較すれば労力は大幅に削減されます。ところが、学校で使用する教材は数年毎に変更になります。教科によって変更の影響度は異なるのですが、英語や国語は1から授業準備をやり直さなければいけない場合があります。そのため、勤務年数が長くなってもサービス残業時間は短くならないと想定しました。なお、授業準備の時間を労働時間に含めようとしない考え方は、教育業界の悪しき慣習の一つだと思いますし、早急に改善すべき点だとも思っています。しかし、すぐに改善されるとも思えないので、この記事においては、授業の準備時間は、労働時間に含まれないものとして扱っています。

国公立高校の非常勤講師の「給料」が、年収500万円に到達することはほぼないです。確かに、他業種と比較して時給は高いかもしれませんが、生徒が授業を受けることができる時間帯にしか勤務をすることが不可能な上、その時間帯の全ての時間に自身が担当できる授業があるとは限らないからです。東京都公立学校の時間講師の場合で、最高年収をシミュレーションしてみましょう。「東京都公立学校時間講師を希望される方へ」によると、1時間の報酬単価は、経験区分に応じて、1,880円から3,350円まで(令和2年4月1日現在)であり、週当たりの上限は26時間までとなっています。長期休暇中も講習等で授業をしたと仮定し、時給1,880円の場合と3,350円の場合のそれぞれで年収を計算してみます。

1,880円 × 26時間 × 52週 = 2,541,760円

3,350円 × 26時間 × 52週 = 4,529,200円

最大でも、4,529,200円なので、実際に得られる年収はこれよりは低くなります。東京都は、他の地方公共団体と比較すると時給が高いと推測されるので、東京以外の地方公共団体で非常勤講師をする場合には、東京の場合よりも時給が安くなることが予想されます。ただし、一般的に、時間講師は兼業が可能ですので、朝から夕方にかけては、国公立高校で時間講師として授業を担当し、夜は塾で授業を担当することで、年収を増やすことは可能です。

「雇用の安定性」に関しては、有期契約なので契約が終了すれば解雇されても文句は言えません。そのため、「雇用の安定性」については最低点の1点をつけています。

特徴

国公立高校の非常勤講師の魅力は、授業に専念をできることと勤務時間が短いことだと思います。その一方で、高い給料は望めず、雇用も不安定です。配偶者の方がそれなりの収入を得ており家族としての生活には困らない場合や不動産、株式、副業などによる副収入がある場合において、教育に興味があり、「教える」という仕事をした時には考慮に値する職務形態かもしれません。

私立高校の専任教諭

概要

私立高校の専任教諭は、授業、部活、学校行事等、学校で行われる全ての活動に携わることのできる先生です。国公立高校の教諭と職務内容は同様と考えて良いと思います。

採用プロセス

私立高校の採用プロセスは学校によって異なっています。一般的な採用プロセスは、次の通りです。

  1. 各都道府県の私学協会が実施している私学教員適性検査を受験する。
  2. 各私立高校(中高一貫校の場合もある)が、受験者の適性検査の成績を確認する。
  3. 受検者は各私立高校から学校独自試験や面接へ招待される。
  4. 学校独自の筆記試験、模擬授業、面接を経て採用となる。

東京都の私立高校における私学適性検査については、一般財団法人東京私立中学高等学校協会のウェブサイトを見てください。

私学教員適性検査の受験が不要の私立高校もあります。日本全国の私立学校(中学校・高等学校・一部小学校を含む)の募集情報が、一般財団法人日本私学教育研究所の教職員募集情報サイトに掲載されています。随時更新されていますので、私立高校の教員に興味がある方は定期的にこのサイトを見てみてください。

私立学校では、同一の教科で募集が毎年行われることは滅多にありません。退職者が出た場合においてその欠員補充として募集がなされるのが通例だからです。そのため、特定の教科もしくは全ての教科で毎年教員を募集している学校は、毎年のようにその特定の教科もしくは学校全体で教員が退職している学校である可能性があります。毎年退職者が出るということはそれなりの理由があるはずです。そのような学校に応募する場合には、採用プロセスの過程で学校の状況をよく観察しておく必要があります。

評価

私立高校の専任教諭の評価の結果は次の通りです。「労働時間」を除いて、「教える」に関連する仕事としてはバランス良く様々な要素が満たされていると言えるでしょう。

職場 職種 専念度 利益追及 労働時間 給料 安定性 総合
3 私立高校 専任教諭 2点 2点 1点 2~3点 3点 10~11点

「教育への専念度」に関していうと、国公立高校の教諭と比較すると、教育に専念できる時間が少なくなる場合があります。私立高校は、教育機関でありながら民間企業的な側面を有しているからです。私立高校には、広報の仕事をしている先生が何人かいらっしゃいます。原則としては、この広報の先生が生徒の募集活動を行います。しかし、生徒が集まらなければ、広報担当の教員に加え、場合によっては全教員が生徒の募集活動をする場合があります。この場合は、教育に専念できる時間は短くなるでしょう。もちろん、毎年多くの中学生が受験してくれる高校、もしくは毎年多くの小学生が受験してくれる中高一貫校であれば、広報担当以外の教員が募集活動に時間を割かれることはなくなります。

「利益追及の楽しさ」に関しては、民間企業のそれとは若干異なるのですが、その楽しさを味わえる場合があります。私立高校は、公立高校と比べると新しい教育にチャレンジできる環境が整っています。高校によっては、理事長や校長が承認をすれば、すぐに新しい教育手法を試すことができる高校もあります。ICTを活用した授業や国際交流に関する教育プログラムを実践し、それが社会に評価され、結果として勤務校への生徒の応募者数が増加するということが生じ得ます。入学試験における受験料収入は私立の学校においては重要な収入源の一つですので、ご自身の教育の成果が学校の収入を増やしたと実感することができるでしょう。

「労働時間」に関しては、国公立高校の教諭の業務と私立学校の専任教諭のそれは実質的に変わらないので、サービス残業の時間は相当に長いです。ただし、学校次第、働き方次第では、サービス残業を減らすこともできます。学校が使用する教材に変更がない場合、もしくはオリジナルの教材を使用している場合、一度作成した授業のプリント等は次年度以降も使用できます。生徒の状況に応じてそれを変える必要がないという考えの先生であれば、勤続年数が長くなるほど労働時間を短縮できるでしょう。また、これは公立高校にも言えることですが、活動時間が短い部活動の顧問をするもしくは顧問をしないという選択肢を認められるならば、残業時間は大幅に削減されます。一部の進学校では、大学入試において配点の高い教科を担当している先生の部活動の顧問の負担を軽減するという配慮がなされています。そのような配慮がなされる教科としては、数学と英語が多いです。

「給料」関しては学校によります。一番多いパターンはその地域の公立高校の給料に準ずるというパターンです。これが原則ですが、生徒数が集まらない高校では、大幅な給料の削減が躊躇なく実施されることもあります。一方で、有名大学の付属校や生徒募集に困っていない進学校の中には、40歳で年収1,000万円を軽く超えるという学校もあります。初任給が500万円に迫る学校もあります。大手企業と比較しても遜色ない収入を初年度から得られます。集団指導塾の講師としてものすごく有名になり多額の収入を得るというパターンを除いては、この後者のパターンが「教える」という仕事において最も給料が高くなるパターンと言えるでしょう。教員を目指す方はお金のことをあまり気にされない方が多いように思えます。しかし、仕事の大変さが同様なら多額の給料をもらっていた方が、我慢できることも多いような気がしますので、給料という観点もあながち無視できないと思います。

「雇用の安定性」に関しては、国公立高校の教諭ほどではないですが、安定していると言えます。学校が消滅する確率は低いからです。ただし、「給料」のところで述べたように、生徒が集まらない場合は給料が下がる場合はあります。

私立学校の専任教諭を目指す場合に注意したいのは、入職して即座に専任教諭になれるとは限らないということです。常勤講師という役職で2〜3年勤務した後に、勤務状況が良ければ専任教諭になれるという場合が多いです。なお、常勤講師として働いている期間は、仕事内容は専任教諭と同じですが、契約は単年契約です。教員採用試験に合格しさえすれば、1年目から教諭の身分が保証される公立高校とは異なる点の1つだと思います。

特徴

上述した以外の私立高校の特徴は、定年まで同じ学校に勤務することができるという点です。この点についてはメリットもデメリットもあります。メリットとしては、教える生徒のレベルが変化しないということです。進学校と教育困難校を行き来した場合、ノウハウを蓄積しにくくなります。生徒のレベルが変わらなければ、経験をベースに改善を加えていくことで、自分が理想とする教育を実施できるようになる可能性が高まります。デメリットとしては、人間関係で問題が生じた場合に、転職をするか、辛い思いをしながらその職場に残るかを選択しなけばならない点です。学校は、通常100名ぐらいの先生方で成り立っています。そのような小規模な組織だと、苦手な人、仲が悪い人と全く関わらずに日々を過ごすのはなかなか難しいものです。

メリット、デメリットではないのですが、卒業した生徒が学校に会いに来てくれるというのも些細なことのようですが、大きな楽しみのように思えます。

私立高校の非常勤講師

概要

国公立高校の非常勤講師と同様に授業のみを担当します。学級担任をしたり、部活の顧問をしたりすることはありません。

採用プロセス

私立高校の非常勤講師の採用プロセスは学校によって異なっています。

専任教諭の場合は4〜9月にかけて採用が行われる場合が多いですが、非常勤講師の場合は、その時期に加えて、12〜3月にかけても行われます。

4〜9月にかけての募集に応募する場合は、専任教諭と同様のプロセスとなる場合が多いです。

  1. 各都道府県の私学協会が実施している私学教員適性検査を受験する。
  2. 各私立高校(中高一貫校の場合もある)が、受験者の適性検査の成績を確認する。
  3. 受検者は各私立高校から学校独自試験や面接へ招待される。
  4. 学校独自の筆記試験、模擬授業、面接を経て採用となる。

12〜3月の募集は、すでに内定を出していた人が内定を辞退したり、現職の先生が急遽退職されることになった場合の募集であることが多いです。緊急性の高い募集となるため、4〜9月の募集よりは、難易度は下がる印象です。また、私学教員適性検査を受験していなくても応募可能な場合が多いです。

専任教諭の場合と同様に、一般財団法人日本私学教育研究所の教職員募集情報サイトに募集情報が掲載されています。随時更新されていますので、私立学校の非常勤講師に興味がある方は定期的にこのサイトを見てみてください。

評価

私立高校の非常勤講師の評価の結果は次の通りです。評価結果は、国公立高校の非常勤講師と同様です。「教育への専念度」と「労働時間」は魅力となる一方で、「利益追及の楽しさ」、「給料」、「安定性」という観点においては、魅力的とは言えません。

職場 職種 専念度 利益追及 労働時間 給料 安定性 総合
4 私立高校 非常勤講師 3点 1点 2点 1点 1点 8点

「教育への専念度」に関していうと、私立高校の非常勤講師は教育そのものに専念できます。なぜなら、職務が授業をすることのみの場合が多いからです。非常勤講師に、生徒募集の手伝いをお願いする学校は稀です。

「利益追及の楽しさ」については、職務が授業のみに限られているため、なかなかその楽しさを味わうことは難しいかもしれません。

「労働時間」に関しては、サービス残業は少ないと言えます。この点は、国公立に非常勤講師の方と同様と言えます。

「給料」は、専任教諭の場合と同様に学校によって大きく異なります。1コマ(60分)で2,500円ぐらいが標準的な時給で、学校によっては経験によって4,000円ぐらいまで時給を上げてくれるところもあります。長期休暇中の授業がない期間にも給料を支払うかどうかは学校によって異なります。長期休暇中に授業をしなくても、授業がある時と同様に給料を支払ってくれる学校も合えば、そうでない学校もあります。

1週間に担当する授業数は最大で15コマぐらいですので、年収を計算すると以下のようになります。

2,500円/コマ × 15コマ/週 × 52週 = 1,950,000円

4,000円/コマ × 15コマ/週 × 52週 = 3,120,000円

最大でも、3,120,000円なので、実際に得られる年収はこれよりは低くなります。

「雇用の安定性」に関しては、有期契約なので契約が終了すれば解雇されても文句は言えません。そのため、「雇用の安定性」については最低点の1点をつけています。

特徴

授業に専念できる点が魅力だと思います。ただ、専任教諭と比較すると年収は低くなるので、家族と一緒に暮らしていて家賃負担が少ないなど、年収が低くても生活ができる条件が整っていないと、長期間非常勤講師として働き続けるのは難しいかもしれません。もしくは、塾と兼業するなどの働き方になるかと思われます。

学部在籍時に教員免許を取得していると、大学院生の時に非常勤講師として教壇に立つことが可能になります。実際に、修士課程や博士課程に在籍しながら、1週間に5コマ程度の授業を担当していた人も私の周囲にいました。

集団指導塾の講師職

概要

集団授業を担当します。授業のみに専念をすることができる塾と授業と並行して他の業務も担当しなければならない塾があります。授業以外の業務とは、保護者との面談、営業の電話、学校の前でのビラ配りなどです。

採用プロセス

集団指導塾は民間企業ですので、採用のプロセスは民間企業に近いです。模擬授業を課されることがある以外は、エントリーシートの提出、筆記試験、面接など、塾以外の民間企業の採用プロセスと同等です。大手の予備校は、上記の採用プロセスとは異なる場合があります。

大学生時代に塾でアルバイトをしていて、高く評価されている場合には、その塾における採用のプロセスは簡易化される可能性があるでしょう。

評価

集団指導塾の講師職の評価の結果は次の通りです。「専念度」をある程度保ちながら「利益追求」ができるところが魅力と言えるでしょう。

職場 職種 専念度 利益追及 労働時間 給料 安定性 総合
5 集団指導塾 講師職 2点 3点 1点 1~2点 2点 9~10点

「教育への専念度」に関しては、塾によると思います。講師は授業及び授業に関連する業務のみを実施していれば良い場合もあれば、授業以外の仕事もやらなければならない場合もあります。専念できた場合でも、学校の教員における専念とは若干質が異なる専念になると思います。それは、塾の講師の場合は常に会社の利益のことは考えなければならないからです。学校と異なり、生徒は塾に不満があれば容易に転塾することができます。そのため、生徒にとって有益でかつ、成績の向上が実感できる授業をし続ける必要があります。

「利益追及の楽しさ」については、授業の評判が良ければ生徒数が増えたり、季節講習で多くの講座を受けてくれたりするなど、自身の授業の成果が即座に売上という形で還元されます。これは、学校の先生にはない面白さだと思います。

「労働時間」に関しては、どこの塾に勤務するかによりますが、業界全体としてはサービス残業は多いです。ただ、それを改善しようとする動きも見られます。Openworkなどの転職サイト等で最新の情報を確認しておくと良いと思います。

「給料」は、上場企業に関しては、各企業のウェブサイトに年収が公開されています。早稲田アカデミーを例に取って年収を調べてみます。早稲田アカデミーのウェブサイトにアクセスし、「IR・投資家情報」をクリックしてください。IR資料室の「有価証券報告書・四半期報告書」項目の中の有価証券報告書をクリックしてください。「平均年間給与」で検索するとその年度の年収がわかります。早稲田アカデミーの2020年3月期における平均年間給与は5,128,261円になります。有価証券報告書を確認する際には、平均勤続年数も確認をすることをお勧めします。平均勤続年数が短ければ短期で退職している方が多いということになります。

「雇用の安定性」に関しては、正社員なので会社の経営状況が悪化しなければ、解雇される可能性は低いです。とはいえ、学校と比較すれば、経済状況の影響を受けやすいので、安定性に関しては2点としました。

特徴

学校と塾の両方で勤務してきた経験から学校と塾に間には大きく2つの違いがあると感じました。

1点目は、利益のことを考えずに良い教育を追求できるかどうかです。塾は営利企業ですので、収益を高める必要があります。学校であれば、徹底的に効率的な授業を考え、教える時間を極力短くし、それ以外の時間を復習や発展的な内容に使うということが許されます。しかしながら、塾でそれをやってしまうと、大事なポイントだけ学んだら、残りの授業は受けなくても良いということになってしまい、売上が減ってしまいます。なので、売上のことも考えながら、授業をしなければならないわけです。また、大手の塾はカリキュラムが決まっていますので、より効率的な授業の提案というのはなかなかしにくいかもしれません。

2点目は勤務時間帯です。塾は、生徒が学校に行っていない時間帯にしか授業を実施することができませんので、勤務時間帯は平日の夕方から夜にかけてと、土日になります。一般的な勤務時間はその真逆ですので、恋人の業種が違えばその恋人と会えなかったり、結婚すれば家族と過ごす時間をなかなか取れなかったりという問題が生じてきます。また、友達と会う時間を確保することもなかなか難しくなります。大学を卒業したばかりの時は、この点はあまり考慮する必要のない点ですが、年齢を重ねるにつれて考えるべき点となってくるはずです。

個別指導の講師職(家庭教師を含む)

概要

生徒1人対教師1人もしくは生徒2人対教師1人の形式で授業をする仕事のことです。

採用プロセス

大学生が個別指導の講師や家庭教師に応募をしたりするプロセスと同様です。履歴書の提出、筆記試験、面接になるかと思います。

評価

個別指導の講師職の評価の結果は次の通りです。「専念度」をある程度保ちながら「利益追求」ができかつ適正な「労働時間」内で働ける点が魅力と言えるでしょう。

職場 職種 専念度 利益追及 労働時間 給料 安定性 総合
個別指導 講師職 2点 2点 2点 1点 1点 8点

「教育への専念度」は、集団指導の場合と同様に2点です。なぜなら、個別指導の講師は自身の収入を考えなければならないからです。学校と異なり、生徒は指導に不満があれば、別の人に個別指導をお願いしたり、別の学習方法を選択することができます。そのため、生徒にとって有益でかつ、成績の向上を実感できる授業をし続ける必要があります。

「利益追及の楽しさ」については、授業の評判が良ければ生徒数が増えたり、多くのコマ数を取ってくれたりするなど、自身の授業の成果が即座に収入という形で還元されます。この点は、集団指導塾の場合と同様に学校の先生にはない面白さだと思います。

「労働時間」に関しては、業界の慣行として授業準備時間に給料が支払われない場合が多いので、サービス残業は発生します。しかしながら、同じ教材を使い続ければ、授業準備に必要な時間も削減されていくはずなので2点としました。集団指導塾の場合と同様にこの点についても改善がなされている企業もあると聞いています。

「給料」については、経験年数と能力に応じて大きく異なります。時給2,000〜5,000円が相場だと思います。個別指導をできる時間は生徒が学校に通っていない時間に限られますので、そこまで長時間授業をすることはできません。年収としては、1,000,000〜2,500,000円ぐらいのイメージだと思います。

「雇用の安定性」に関しては、非正規雇用の場合が一般的だと思いますので1点としました。

特徴

特徴に関しては、集団指導塾の講師職の項目で記述した内容と同様です。

「教える」仕事に就きたいと思っている大学生へのメッセージ

非常勤講師というと公立高校の教諭や私立の専任教諭として採用されなかった人が就く職種だと思われる方もいらっしゃるかと思います。もちろんその側面もありますが、新卒でいきなり担任をしたり部活の顧問をしたりするのは大変だから、まずは非常勤講師で授業だけの経験を積んで自信をつけてから、公立高校の教諭や私立の専任教諭を目指すという方もいらっしゃいます。そのような考えを持つ方の中には、昼間は私立高校で非常勤講師をやり、夜は塾で教え、教える技術を徹底的に高めようとする方もいます。

新卒で正規の教員にならないとその後なかなか正規の教員として採用されにくくなるとおっしゃる先生もいますし、非常勤講師としての経験を積んでから正規の教員になることも可能だとおっしゃる先生もいます。学校によっては非常勤講師の経験しかない先生は採用しないという学校もあるでしょうし、非常勤講師の経験を評価してその先生を採用するという学校もあるでしょうから、どちらの意見も正しいと思います。

大学を卒業して最初の職業はその後のキャリアに大きな影響を及ぼします。最初の仕事が非正規の仕事であれば、その後正規の仕事に就く難易度は大学卒業後すぐに正規の仕事に就くよりも難易度は上がります。そのため、非正規の雇用形態の方が自分には合っていると思っている場合でも私はまずは正規で雇用されることを目指すことを強くおすすめします。

しかしながら、自分が納得できるどうかが何よりも大事だと思います。なので、どのようなキャリアを歩んだら自分が理想とする教員に近づけるのかを真剣に考え、それを踏まえて新卒時の進路を選択するので良いのではないかと思います。もちろん、最初は民間企業に就職して、その後教員になるという選択肢も魅力的な選択肢の一つだと思います。

「教える」仕事に特化した記事ではないのですが、大学時代に何をすれば良いのか分からない場合にはぜひ以下の記事を読んでみてください。

大学1年生になったばかりの大学生に伝えておきたい5つのこと
4月1日から晴れて大学生となられた方も多いかと思います。今回は、私が大学1年生のときには知らなかったけれど、もし今私が大学1年生の時の自分に何かを伝えることができるなら伝えておきたい5つのことを書きたいと思います。「大学生のうちにやるべきこ...

「教える」ことに関する仕事は、いずれの仕事を選んでもかなり過酷な労働環境です。そして、その労働環境が今後改善される保証はありません。一方で、その仕事は人によってはとてもやりがいを感じられる仕事になるはずです。この記事を読んでくれた方が、納得のいくキャリアを歩めることを願っています。

最後に

私自身の経験と知人から見聞きした内容に基づき記事を書いておりますので、実態と異なる内容が書かれている場合もあります。誤りをご指摘いただければ確認の上修正をいたします。